2010年11月24日水曜日

チームワークの誤解

 アメリカのプロスポーツの世界で、チームワークを強調することはほとんどありません。
個人の仕事の集積の結果としてチームワークができるのであって、個人が自分の役割をこなせないと、チームワークが破綻するからです。

だからチームワークを強調する場合、その意味は個人がそれぞれの役割を果たせということです。

仕事の内容によっては、連携が少しでもうまくいかないと結果を出せない場合があります。
こんな場合に「チームワーク」を強調します。

日本では、「チームワーク」の解釈を「助け合う」に注目しますが、助ける側に回る人は、必要のない負担を強いられます。その分助ける側が充分な仕事ができず、全体のレベルダウンが生じてしまいます。

本来、チームは、個人の力の総和以上の結果が出せる点にメリットがあるわけで、個人の力の総和以下になることは、烏合の衆になっている傾向があるという意味です。
想像していただくとい分かると思いますが、明らかにチームワークが機能していない状態が浮かぶはずです。

ですから、個人個人が、助けられることなく自分の役割を果たせるスキルを持つことが、チームとしてのモチベーションを高める必須条件なのです。

2010年11月2日火曜日

人脈づくりは、白か黒かではなく、程度で考える

 人脈を作る方法は、人の集まっている場所に行って、まず知ってもらうこと。名刺交換の数です。単なる名刺交換に終わらないようにするには、何かしら相手にメリットのある情報の提供ですが、ここで自分の損得を考えてしまいます。

コミュニケーションの基本はまず「与えること」であることを思い出しましょう。
WIN-WINなんて夢です。現実的ではない。「お役に立ちたい」という気持ちを持ってに次に会う約束をとりつけます。アサーティブな態度が大切です。

さて、これを数多く繰り返していると、人脈が増えるとモチベーションがあがり、さらに人脈は増えます。逆だと下がります。人情です。

 人に協力してもらうには、信頼されることが必要です。信頼がないと人脈が増えません。信頼されていると協力の依頼も増えるし、こちらが依頼しても協力してもらえます。

 信頼とはアピールすることから始めます。待っていても始まりません。相手にメリットがあることなら相手も真剣に聞いてくれます。私がサラリーマンをしていたときに、あるクレームがあって謝罪に相手企業にお伺いしたときに、「あなたのいいところをご存知ですか?」と尋ねられました。

自分では思いつかなかったので「分りませんが」と答えると、「あなたはいつもこうすると得ですよ、と提案してくれる。いつもですよ。なんでもないようだが、それはすごいことですよ」と評価していただきました。

 こうして自分は長期に影響するモチベーションをアップしていただきました。WIN-WINの関係は信頼があってこそ始まるもので最初から始まるものではないのです。人間は人のために生きるようにできているのです。だから経営理念が重要なのですが、それを口先だけのまやかしだと思う人も少なくありません。

 しかし、利用するだけ利用して後は知らん顔という人も少なくありません。それにしても白か黒か、イエスかノーかではないのです。程度の問題なのです。52%対48%といった具体に程度の問題なのです。
 2%の差なら無視もできるし、2%アップする工夫もできます。そこが知恵と知恵を働かせてモチベーションをアップする行動力を「与えること」からもらうのです。

一回のご縁を一生のよろこびに。人脈つくりはマーケティングの原則と同じなのです。

2010年10月18日月曜日

モチベーションスタンダード

 理想のリーダー像として引き合いに出される「信長、家康、秀吉」の内、もっとも優れたリーダーは誰かと言うよくある質問は愚問と言えます。

 なぜなら、マネジメントとは、刻々と変化する状況に適切な手を打ち続けて目的を達成することだからです。つまり優れたリーダーにある一定のパーソナリティーを求めることはもともと困難なのです。ある時は信長的がよく、ある時には信長的がデメリットになるわけで、高い見地で機能する「客観性」「判断力」「統率力」に裏打ちされた指示と実行力がリーダーに欠かせない資質になります。

 では、どのようにすれば、そう言った資質は獲得できるのか、それが問題です。体験に勝ることはありませんが、限界があります。限界をカバーするのが、疑似体験で、もっとも手軽な読書など他者の経験です。しかしこれには注意が必要で、客観性を欠いた成功談は自慢話の域に留まってしまいます。

 ワタミグループの総帥、渡邊美樹氏は、ポーターの「競争優位の戦略」を100回以上読naまれたそうです。非常に難解で、なにを言いたいのか分からなかったために、100回以上読むことになったそうですが、ではなぜ途中で放り出さなかったのでしょうか?

 起業するにあたって、原理原則を書いた有名な”名著”であり、必ず読んでおくべき本であると情報を仕入れていたからでしょう。このエピソードから浮かび上がってくるのは、渡邊美樹氏自身が、「客観性」「判断力」「統率力」に裏打ちされた指示と実行力を身につけている姿ではないかと思うのです。

 理解できるまで、読み続けろと自らに指示して実行を促す統率力を自らに発揮していたことです。自らを適切にマネジメントする力は24時間をフルに活用して育むことができます。そうして育んだ自分へのマネジメント手法をスタンダード(基準)にして、チーム内に水平展開でシステム化すればいいのです。。

 「名選手、名監督にあらず」は、この失敗を表現したものですが、自分と他者は別の人格であるという「境界」の存在を正しく認識できなかったためで、自他尊重の基本的人権を掌握できなかったことに起因します。つまり個人に自分と同じマネジメント資質を求めすぎてしまうのです。これはチームの定義を間違えているからです。

 組織はチームワークで仕事をすすめるものなので、優れたチームとは個人の力の総和以上の力を発揮するものです。やる気という感情的なものでなく、モチベーションの動機づけの機が重要です。つまり意欲的になるタイミングを、人と人の間、人間関係に落とし込むことが欠かせないからです。

 それには、リーダーの思考と行動のスタンダード(基準)への共感からなる信頼性に他ならないことが浮かんでくるはずです。それを可能にするには「個人批判」に走らないことです。「名選手、名監督にあらず」の戒めは個人批判に走る傾向に向けられているのです。

 チームは人間関係であり、人間関係を正しく機能させるために、チームのひとりひとりが自分の責任をクリアできる技術が必要になります。逆はなく、その基準を作り、機能させる力が、リーダーのスタンダードになっている思考と行動基準です。

 たとえば顧客からクレームが生じたとします。クレームの主となった売り手と買い手、それぞれ個人に目を向けるのではなく、チームに張り巡らされたコミュニケーションに注目することが先決なのです。

 個人批判に傾くと自己防衛に走り、逆に個人批判を強めてしまい、チームの総和にダメージを与えてしまいます。これでは批判することが、マネジメントの疏外要因を作っているだけになってしまいます。

 リーダーの資質と、それを支えている思考と行動のスタンダードは、自他尊重という信念を通して、チームのコミュニケーションに反映していくものなのです。リーダーの基準をチームのコミュニケーションの基準にできるように、リーダーの基準をステップアップしていくことが重要です。

2010年10月2日土曜日

モチベーションの前にアサーティブな人

人がやる気を起こすために、世界中で、多くの方々、多くの研究を重ねてきました。

それでも現実は奇妙な事件が後を経ちません。そして、そこには奇妙な人がいます。簡単に言うと、やる気になるには、まず健康な精神と身体が必要なのです。

身体に不具合があっても高いモチベーションで驚くような挑戦をしている方もいます。しかし、いま痛みを抱えて悶々としている状態で、高いモチベーションを発揮することは困難でしょう。
痛み・・・・痛みは身体だけでなく精神の痛みもあります。そして心の痛みは把握が難しく、その因果関係もつかみにくいもので、何から手をつけたらいいのか難しいものです。

思うことを率直に言葉にできないので、人間関係が難しいと悩む方々は、少なくありません。社会経験が少ない若い世代も、経験豊富なベテラン管理者にも、共通した悩みとして存在します。

アサーション・セミナーは、アサーション、アサーティブとは、どういうことかを知るプロセスを通じて、アサーティブになれない自分の問題点を発見して、改善する作業に取り組むことがテーマです。

アサーティブな自分になることで気が軽くなる。少しは冒険してみょうと意欲が生まれて、チャレンジする。チャレンジのプロセスに本当の幸福でを発見する。なぜ、チャレンジのプロセスで発見できるのか、それがこの講座のすごいところだと思います。

但し、発見するには、失敗することが重要な要素になります。
なぜなら、講座を受けても、失敗するのがイヤ、怖い、問題があっても質問もせずに、自分で判断する。
これでは、講座を受けている意味がありません。

2010年9月21日火曜日

リーダーシップの強くない人が最強のリーダーシップを発揮する方法

「リーダーシップ」の強い人と弱い人がいます。価値観の合う仲間的な人に対しては問題なく発揮できても、仕事の能力の高いのに、そりが合わない人を巻き込む力が弱いようだと「リーダーシップ」が強いとはいえません。

 そういった必ずしも「リーダーシップ」の強くない人が、上手に「リーダーシップ」を発揮できることが、大切なのです。つまりリーダーシップを個人的な資質の問題にしないで、学習によって鍛えられるものにすることが人材育成のポイントで
す。

 その中核になるのが「内的モチベーション」で、達成感、承認・評価、責任、仕事に対する価値観などです。「内的モチベーション」と1セットになることで機能するのが「外的モチベーション」で、給与、地位、人間関係、安定した雇用の仕組みなどです。

 最近の働く人の傾向では、雇用環境が厳しいにも関わらず「外的モチベーション」より「内的モチベーション」を重視する傾向にあります。ところが雇用側では、意欲を引き出したいときに問題にするのは相変わらず「外的モチベーション」のようです。手を打ちやすいからに過ぎないのと、問題をつかみきれていないことも一因です。

 では、「リーダーシップ」の強くない人が、上手に「リーダーシップ」を発揮するにはどうしたらいいのでしょうか?

 それには成果をあげることです。達成感はモチベーションを高める最大のエンジンになります。ところが達成感を味わうにはモチベーションが高い必要があります。
しかし、これでは鶏が先か、卵か先かの話になってしまいます。
 結論から言うと、マネジメントとコーチの融合です。

 マネジメントは、野生の馬を調教しながらで荒野を進み、目的地に到達するプロセスのすべてです。一方コーチは馬車で目的に運ぶことです。つまりコーチがコーチしていると思わせずに自主的、自律的に取り組んだ成果として達成できたと思わせることです。
 
 その仕掛け、さらに仕組みを構築するのがリーダーシップであり、それには因果関係を計算して、関係性を機能させるために必要なことを全部実行して、1の努力を3の成果、3の成果を5の成果、5の成果を10の成果に膨らませていくことです。最小限の努力で最大の成果をあげるには、因果関係をアグレッシブに使いきることです。

 チームワークは役割分担のことですが、熱い血の通った人間が役割を分担していることを忘れてはいけないのです。つまり人は機械のように同じではなく、能力、意欲、価値観でもバラバラな存在です。バラバラなので均一的に機能しません。

 いくつもの矛盾が生じ、感情のバラつきや対立さえ起こります。このばらつきや矛盾を活用することで、理屈を越えた、つまり血の通ったチームワークを使うことができます。
 たとえば山田は上司の命令には乗ってこないが、同期の小林の動きには反応する。 小林は山田の動きに反応しないが、上司の命令には乗ってくるなど、チーム個々の事情があるものです。初日に達成できないとあきらめムードになる。あきらめムードに乗りやすいのが小林だとか、因果関係は探せばいくらでもあります。

 網の目のように張り巡らされた因果関係の糸を上手に動かせば、「リーダーシップ」の強くない人でも、いやむしろ強くない人だからこそ、慎重に用意周到に準備して、チームの力を最大限に発揮することもできるようになります。

 またこういうリーダーシップは学習しやすいので、伝承することも容易です。
 人、時、場所、物は、ただ単にあるのではなく、すべてに人が絡んでいるので、すべてに因果関係があります。読み取り、絶え間なく先手先手で仕掛けていく。リーダーシップは成果と共に飛躍的に成長します。

 もちろん、こういうことはすぐにできないでしょう。だからマネジャーになる前に予行演習を何度も繰り返して体験で身に着けておく仕組みが会社に必要なのです。

2010年9月15日水曜日

離職率の低い会社ほど儲ける

営業とはコミュニケーションです。コミュニケーションで相手の中に潜在するニーズを掘り起こし購買意欲を高めるものです。見方を変えると人材募集から育成のプロセスと同じです。つまり「人は企業なり」が実践できない会社には、販売においても思うような成果は出せないのです。

お客さまが購買される。それを当たり前だと思って働く人間がいるようなら、その会社はすでに普通ではないのです。働くものに感動がないような会社が、お客さまに感動していただける時と場を提供する可能性はありません。心の基準の問題です。 こんなものでいいでしょう。よそもこんなものです。こんなものでいいと自分を許すのは自分なのです。

顧客満足と言葉でいうのは簡単です。しかし、その実際は、「なぜ、そこまで」と「そこまでが基準」とのせめぎあいで、基準が高いほどいい人材が必要になり、葛藤も大きくなります。いい人材は少なく、その分、雇用の段階でひきつける魅力がより必要です。葛藤が大きいほど共感できる磁気が必要です。「なぜ、そこまで」という人を次代のリーダーに変えてしまう力です。

こんなものではダメでしょう。こんなものでは自分を許せない。基準を高くすることで人は背伸びするから成長します。感動とは成長のためのエネルギーなのです。感動のない者が集まった会社は成長しない。それを許さない人をひとりでも多く作ることが成長の条件です。

顧客満足、お客さま第一主義、言うだけなら誰でも言う。行動こそすべてです。生産性の高い行動力は行動基準の高さで決まります。これ以下は許さない自分への誇りがあるか、ないか。自分のスタイル、ポリシーが、美しいスタイルを作ります。働く人たちのスタイルが美しいとお客さまも美しく輝きます。この接点から発信する力が強いことが重要です。強いか、弱いか。弱いと競争相手に、はねのけれます。

では、どうすれば美しいスタイルを持った人を集められるか。

葛藤を乗り越えて高い基準に共感する数少ない人を育成できるリーダーシップが大役を担います。なかでも重要な要素は2つあり、そのひとつが率先垂範の実行力と言葉力でしょう。

それは単に語彙の豊富さで相手を納得させようとするのではなく、個々の人材に最適化した会社を最適化してインプットする力です。その背景には、誰の心にも柔軟に適応する矛盾のない理念が一貫していることが欠かせません。

もうひとつが、自主性を引き出し、後は自律と体験を通して美しいスタイルを身につけようとする仕組みを作る力です。

最低でもこの2つの要素は、働く人から意欲を引き出す普遍的な力であって、顧客とのコミュニケーションのバックボーンになっているのもです。

顧客とのコミュニケーションを最強化するためにも、人材雇用と育成の両面での力をつけたいものです。まずは低い離職率を数値目標化して、引き下げるようにしたいものです。

2010年8月26日木曜日

マイルストーンを使って楽しく、モチベーションは限界突破

 目標を達成するコツがあります。可能性を実感として引き寄せると、モチベーションは飛躍的に高まり加速する。目標に追いかけられるのではなく、追いかける。

 まず目標を達成する喜びをできるだけ早期に味わうことだ。一ヶ月で達成する場合なら、まず初日に達成するのが必須条件だ。予定では5日分位までを最初の3日間で達成してしまう。そこで安心してしまわず、さらにピッチをあげて10日分を6日程度で達成する。そこで当初の1ヶ月の目標を、引き上げて、これまでのペースを崩さないようにする。「攻撃は最大の防御」の言葉通り、15日、20日と節目、節目で目標を高くしていく。この段階で引き上げても、常に上回っていると、苦にならない。モチベーションが高いから気にならないのだ。

 3日、5日、7日(1週間)、10日、15日(2週目)、21日(3週目)、25日、月末、というように節目、節目に目標を設定しておき、そのどれもを予定を上回るようにすると、常に目標を追いかける状態で進行する。

 この節目から節目までの目標設定が「マイルストーン」です。

 期間が短くしておくと、結果がすぐに出る。もし、1ヶ月の間に節目がないと、まだ時間があるち油断して遅れが生じやすい。すると目標に追いかけられることになる。後手後手に回り、重圧がかかってくる。気分が滅入るので、モチベーションは下がる一方になる。追いついても借金を返した状態にすぎないので、モチベーションはあがらない。安心してまたマイナス状態になりやすい。気分は苦しい。

 「マイルストーン」を形式的に設定しても効果があがるというわけではない。追いかけることができる状態で、進行することが必須だ。つまり「初日」「最初の3日間」がポイントだ。それには準備が効果を発揮する。マイルストーンと準備は一体でないと意味がない。つまり心の問題は心のあり方から始まっているのだ。
 
 準備と言っても1か月分の準備は的が絞りにくいので準備もぼやけてしまう。それと比べると初日1日の準備は簡潔で集中しやすい。結果が出せると3日程度は効果をつないでいける。そこで5~6日分をクリアしておくと、余裕とやる気が生まれる。その余裕、つまり貯金を食いつぶさないように進めていくと、場合によればとんでもない数字になることも腕次第で可能だ。この興奮はマネジャー冥利だ。逆算が威力を発揮する。

 初日は飛行機が離陸するのに似ている。離陸から水平飛行に転じるまでは強いエネルギーが必要だ。そして水平を可能にするには、上昇気流に乗せてこそ水平は保てると心するといい。水平にしたら水平は保てないと考えたほうがいい。

 情熱のないマイルストーンの設定は功を奏さない。表向きのマイルストーンを本音のマイルストーンで書き換えて進んでいく。こんなに楽しいものはない。

 仕事も勉強も、組織も個人も、同じことが言える。朝9時から仕事の予定だとしたら、8時から始めて、1時間の余裕を作るようにする。1日を追いかけることができてモチベーションは1日高いので、気分は軽く快適。毎日続けると世の中が違って見えても決して不思議ではない。

 それも準備の明日なにをどんなふうにいつまでにやるのか?5W1Hでする準備のおかげだ。

2010年8月9日月曜日

ラダー効果の実際

ラダー効果については、先に説明しましたが、ラダー効果の実際について追記します。

 数値目標より上位に位置する抽象的な目標、つまり「なんのために働くのか」は「なんのために生きるのか」という課題と直結している。

 ともすれば「仕事をするのにそこまで問題にする必要があるのか」という疑問を持つ人がいると思います。頭でっかちになりすぎていて、そんなことを考えるくらいなら他にすることがあるだろうと思う方もいる。

 しかし、本当のところ、売ることに苦労していないから、そんな思いがするのであって、最も重要なことを抜きにして売ろうとしているとしか思えないのだ。

 売れない状態に向き合って、放り出すわけにもいかない。なんとしても当初、予定した分を売らないといけない状況にあり、売りたいと思うとき、お客さまを抜きにして考えることはできない。買う、買わないの判断をするのは、お客さまだからだ。

 そこでどうすれば買ってもらえるか考える。「お客さまの満足を高める」ことに向き合うか、あるいは、「だまして売れ」に走るかは、モラル、生き様の問題であり、「なんのために働くのか」「なんのために生きるのか」によるところが大である。

 「お客さま第一主義」と言葉を使うのか簡単だが、どうすれば売れるのかをやっていたら、きれいごとではない、本気の「お客さま第一主義」に必ずなるものである。それでも本気にならないというのなら、根本から間違っているとしか言いようがない。

 技術的に言うなら、ストレッチターゲットのレベルにある目標があり、達成至上命令を出し、プロセスに誤りがないか管理することだ。そうすれば、本物の「お客さま第一主義」に矛先を向けざるを得なくなる。

 さて、問題はここから起こる。「お客さま第一主義」をやり遂げるとは、「お客さまは神様」の世界を実践することになる。それは自らを蔑む意味ではない。しかしそれが理解できて主体的に取り組んでいく人は少ない。やればやるほど「なぜそこまでするのか」「やってられない」と不満が浮上することになる。

 あるいは、その様を観ていて、「なんという奴らだ。これはおもしろい。ひとつ加わってみょう」と主体的に参加してくれるものも、少ないがいるがそれは稀であってほとんどは不満を持つ。本当の「お客さま第一主義」はここから始まるといって過言ではない。

 管理者として、この不満を吸い上げて、沈静化して、さらに意欲に発展させていくとき、「話し合い」なしにはできない。そのときの柱になるのが、「なんのために働くのか」であり、「なんのために生きるのか」という課題である。これなしに進むことはできない。

 考えてみるとすぐに分かることだ。「金のために働いている」「生きているから生きているだけ」「遊びたいから生きている」という連中に「お客さま第一主義」をやり遂げる理由もなく、彼らにとっては狂気の沙汰としか映らない。それほど「お客さま第一主義」は大変である。大変だからほとんどが体裁を繕っただけのきれいごとで終わり、実践しない。つまり本気にならないのだ。だから本気で実践したものが勝てるのだ。

 ここでの価値観への共感が、不満を持っていた部下が成長する動機づけになる。
「お客さま第一主義」をやり遂げたいと思う同志が増えていくことで「お客さま第一主義」は可能性の扉が開く。そして仲間と踏み込むことで「苦難」のプロセスが始まる。その苦難を苦難と思わずやり遂げる支えになるのが、数値目標より上位に位置する抽象的な目標、つまり「なんのために働くのか」さらに「なんのために生きるのか」という使命感である。

 誰に言われたわけではない。でもそれをやるのが自分の使命なのだと言えるものを持ったとき、人は強い。強い人が集まった組織は強い。お客さまの心を動かすエネルギーはこの使命感から生まれる。

 数値目標より上位に位置する抽象的な目標がいかに重要かを知っている人は、実践のなかで、それによって救われたことを体験した人である。体験していない人が、その重要を知らないままでいる。抽象的な目標も「お客さま第一主義」も理屈ではない。困難に直面したとき、本気で克服しようとするとき、神の手のように機能する。

2010年8月3日火曜日

サンクス&スポットライト効果で達成感を倍増する

■サンクス効果


貢献度を評価して意欲を引き出すのが、サンクス効果です。結果だけを評価するの
ではなく、結果に到達したプロセスの「どの部分」が、結果に「どのように」反映したか、因果関係を分析して、正しく評価することで、自己効力感を育むようにします。因果関係を理解して、プロセスの「どの部分がどのように」貢献したのかを知ると、良い行動をさらに続けたくなります。必然で良い結果が出ます。


■スポットライト効果


スポットライト効果はサンクス効果に似ていますが、サンクス効果が「仕事の内容」そのものを具体的に評価するのに対して、スポットライト効果はその名の通り、「本人」にスポットライトをあてて、称賛する行動です。たとえば「今月の最優秀メンバー」というように、名前と写真を貼り出すというのもそのひとつです。いろんなアイディアで盛り上げることは可能なので、わくわくする様な企画で、他の参加者が「あんなふうになりたいな」と思うようにすることで効果を拡大したいものです。それにしても、サンクス効果あってのスポットライト効果であることを忘れないようにしたいものです。


■自己効力感


 サンクス、スポットライト効果は、ともに自己効力感にプラスの影響があります。自己効力感とは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱した心理学用語で、目標に到達する能力に対する自分の感覚を表現したものです。

「自己遂行可能感」・・・つまり自分の目標達成能力についての有能感を表しています。

 これに似たものに自己肯定感があります。自己肯定感は自尊心のことで、セルフエスティーム(self-esteem)です。こちらは自分自身の価値に対する感覚を表現しています

 人がある行動を起こそうとする時、自分がどの程度うまく行動出来そうか、その程度の予測によって、その後の行動が予想に適応した形で起こります。そのときに働く力が「自己効力感」です。

 ある課題と向かい合った場合、自己効力感の高い人は、「自分にはここまでできる」と予測することで、「よし、やってみよう」とモチベーションが高まり、その後の行動に発展的につながり、その連鎖によって自己効力感が維持あるいは高まりが続きます。その点からもプロセスの効果的な行動を評価するサンクス効果は自己効力感にプラスの作用を発揮します。


 一方、自己効力感の低い人は「その課題は自分にはできない可能性が高い」と予測するために尻込みする傾向にあり、課題と行動の間に断絶が起こり、その後の行動にはつながらなくなります。消え入るようだったモチベーションがさらに下がり成果も出ません。


 つまり人がポジティブな行動を起こすには、自己効力感を通り抜けなくては始まらないと言えます。この傾向を日常的に、楽観的、悲観的と呼んでいますが、楽観とは、物事について気にしない性格を言うのでなく、むしろ逆で、細心の注意によって必要なことを正しく計画、準備して、合理的な行動を重ねて行くという確かな裏付けに支えられた態度と言えます。

 自己効力感は、主に次の4つの源泉によって形成されるといわれています。


1.達成体験

自分自身の行動によって、達成した体験のことです。自己効力感を定着させるうえで、最も効果的といわれています。先に説明したオプション効果が寄与します。


2.代理経験

 他者が達成するプロセスを観察して、想像をかきたて「自分にもできそうだ」と予測すること。自分自身が直接、体験できる範囲は限られていますが、代理経験を使うことで仮想体験が可能になります。代理経験で得られる自己効力感の影響は大きいと考えられています。プロセスを評価したサンクス効果が他者によい影響を与えます。


3.言語的説得

 達成の可能性を、言語で繰り返し説得すること。しかし、言語的説得のみによる自己効力感は、容易に消失しやすいといわれています。言語的説得はきっかけでしかないと割り切って、早期に達成体験によって自己効力感を定着させるのが効果的です。マネジヤーの手腕が問われるテーマです。


4.生理的情緒的高揚 (エモーショナル効果)

 苦手だと感じていた場面で、動揺することなく落ち着いていたり、身体的な変化が起こらずにすることで、自己効力感が強められることを言います。つまり緊張から自然に生じるストレスの洪水に流されないように感情の流れを整え、洪水を清流に変えます。


 以上から言えることは、自己効力感は、小さな成功体験を繰り返して、蓄積することで高める一方、目標とするモデルを心理的に身近なところに見つけて成功を発見することで仮想体験的に、自己効力感を育てていくことができます。たとえばチームワークに潜在するポジティブな因果関係と物理的な因果関係を組み合わせて使うと相乗効果を発揮します。

自分自身にできるのは概ねここまでですが、代理経験を通じて、さらに自分の自己効力感を高めることができます。この能力がリーダーシップに発展していきます。
同僚、後輩、部下など周囲の誰かの自己効力感を高めたいと思い、言語的説得を根気よく続けることによって相手だけでなく、自分の自己効力感が高まります。さらに相手がチャレンジする代理経験を通じて、自分のスキルが高まると言うわけです。


 自己効力感が高まると、自分から課題に取り組む意欲がみられるようになります。学習への意欲が高まるようになり、自律的な行動の変化が起こるようになります。すると慣れたこと、得意なことに飽き足らず、新たな業務、異なる分野など、いままでと違った行動が求められる時に意欲的になります。


 自己効力感の増大に伴って、内発的な興味も育っていくようになります。新しいことに前向きに挑戦していくためには、スキルの根本に自己効力感の存在が必要だといえます。ライフスキルは自分と周囲の人との関係を自律的、発展的にコミュニケーションする力です。


ここまで説明してきた、目標の価値を高めてモチベーションを高める4つの効果、すなわち、ラダー効果、オプション効果、サンクス効果、スポットライト効果は、いずれも目標を魅力的にするだけでなく、自己効力感を高める働きをします。

つまり目標で惹きつけてモチベーションを高めて成功させ、その結果自己効力感がアップするという循環が人を育てる仕組みとして不可欠なのです。

併せて、達成の難易度のバランスをとり最適の可能性を作り出すメカニズムを機能させること、同時に顧客の購買モチベーションをアップすると、より速く確かに人が育つ仕組みを作ることができます。

2010年7月27日火曜日

集中力を引き出す目標作りにオプション効果を使う

 モチベーションを高めるには、目標の難易度と達成感の強さのバランスが良くな
いと、魅力的な目標も意欲も作れません。

 やる気が起こる目標を作る上で欠かすことのできない

  ・ラダー効果、
  ・オプション効果、
  ・スポットライト効果、
  ・サンクス効果

 前回の「ラダー効果」に続いて今回は「オプション効果」についてお話します。

 魅力のない目標にはモチベーションも下がってしまいます。まず人心をひきつける目標設定が重要。魅力ある目標を作るうえで活用したいオプション効果があります。

 オプション効果とは、自分で「選ぶ」ことで、モチベーションを高める要因として働きます。うまく機能させると思わぬ力を発揮することにもなります。

 クルマを購入するときに、「この色しかありません」と言われるのと、「この中から選んでください」と言われるのでは愛着も随分違います。

 押し付けられて従属的にやるのと、主体的にやるのではモチベーションが違うのは当然です。事前に自分の考えが反映されると主体性が変わります。責任感も変わります。そこで問題になるのが「本人の能力」・・・・ふさわしい能力があれば、マネジャーも主張を聞こうとしますが、能力不足の場合には意見を出せる場も与えないことが多い。しかし、これでは主体的に取り組む機会が先送りになり気味で成長を遅らせます。

 頼りないと思っても、選択する場を与えて、本人に主体性を発揮させるようにして成長速度を速めるようにしてはいかがでしょうか?まだまだ未熟なメンバーであっても自分で考え、行動を重ねると仕事への意識も変わり問題意識も持つようになります。そうは言っても、現実はそれほど甘くない。

 「本人任せにしたらよくなる」というのならマネジャーは不要です。「自分で選択したから、やる気になっていい結果を出すだろう」といった安易な判断は禁物。

 気をつけたいのは成功させるように仕向けることです。やる気になったからできるものではなく、正しい行動をもれなく実行するからできるもの。つまり正しいプロセスを辿っているか、マネジャーが注目して早め早めの軌道修正をサポートしてあげるようにします。もちろん余計な口出しはしないこと。後述するマイルストーン効果を上手に使ってオプション効果を高めるのが、他ならぬマネジャーの腕なのです。

 普段からあらゆる機会を通して「道理」「原理原則」を徹底して教えておくことが正しい選択ができる基礎になります。

2010年7月21日水曜日

ラダー効果で目標力をアップする

「仕事だからがんばるのは当り前」はそうかも知れないが、やる気になれない状態でいくら筋論を押し通しても成果があがるわけではない。仕事をしていれば良いってものではなく、結果を出すのが目的だから、効率良く求める結果を出すことが大切だ。

 つまり私たちは「生産性」という課題と向き合っていて、生産性がなぜ重要かというと、数値だけの問題ではなく、仕事を進める上での因果関係が生産性に凝縮されているからだ。

 そこでどうすればモチベーションがあがるかという問題が浮上するわけで、真剣に取り組んでいると、必然からマネジャー(管理者)として進化していくことになる。

 モチベーションを高めるには、目標の難易度と達成感の強さのバランスが良くないと、魅力的な目標も意欲も作れない。そこで、やる気が起こる目標を作る上で欠かすことのできない ラダー効果、 オプション効果、スポットライト効果、サンクス効果について説明していきたい。

 ラダー効果は、とても重要なひとつで、私は日頃から、これなしに人は育たないと思っている。実際、過去に私は1000人以上の人と直接関わり、数え切れないマネジャーを育ててきたが、いつ会っても、彼ら自身がそれを懐かしみ口を揃えて話題にする。それだけ心に入ったということだろう。「それ」とは日頃追いかけている目標より「上位に位置する目標」のことだ。

 それはもっともなことで、販売に携わる者には、プロスポーツ選手なみに考えながら行動すること、そして緊張が要求される。しかしプロスポーツ選手のように、「ストーブリーグ」というものがない。ずっと緊張が連続する。やってもやっても、これで良いということがない。終わりのないレースをやっているようなものだ。そで疲弊しないというのは日頃から真摯に取り組んでいない証しでしかない。

 真剣に取り組んでいれば、成績があがると、次の月には落ちてしまうちうようなことが起こる。緊張が続かず自分で休憩してしまうのだ。目標に届いていなくても、前年比をカバーしていると、「まあいいか」というように妥協をすることになる。そこで上位管理者が同じように休憩を認めているようだと、屋台骨が崩れてしまうことになる。

 プロ野球の名監督と言われる人にもそういう人物がいて、前年よりいいポジションで終わったかと思うと翌年には、前年より落とす。その翌年には、戻して返り咲く。これを繰り返していると、うまくしのげるのだそうだ。それもひとつの処世術だが、伸び盛りのマネジャーがこんなことをしていると、覇気がなくなってしまい40代にもなると使いモノにならなくなる。

 こうしたことを防ぐには、数値目標だけでなく、より上位の目標、つまり抽象的な目標が効果を発揮する。抽象的な目標はその名の通りとらえどころなく、その効果を頭から考えない人が少なくないが、それは間違いである。先に述べたように、それなしに人は育たないと断言できる。

 考えないと説明する力もつかないので、いつまで経っても、抽象的な目標はないままになるので、やがてモチベーションは息切れして、最後にはやる気がありそうなことを言ってその場をしのぐごまかす技術だけが身につく。しかし数字は状態を示す。

 たとえば販売とは、売ることだ。ずっと同じことを繰り返していると、「自分はなんのためにこんなつらいことをしているのか」と疑問が湧いてくる。真面目に目標に取り組んでいる者ほどそう思うようになる。つらいことは誰にもつらい。なにも感じない者は普段から緊張感のない者だ。頑張っている者ほど、耐えているのだ。その忍耐に一刻も早くサポートの手を差しのべることが必要だ。

 しかし、抽象化をすると、売る仕事は、お客さまに喜んでもらう仕事で、人を助ける仕事だというように誇りが持てるようになってくる。さらには仕事を通して幸福な社会を作るというような使命感が体験を通して育ってくるようになる。使命感が苦しい局面を乗り越え自分と部下を育てる原動力になる。この循環が正常に行われるようになると会社の風土もそのようになり、風土が個人を励ますようになる。

 マネジャーが部下が感じる範囲の仕事の捉え方を変えるアプローチを繰り返すことで、仕事への取り組み方も変わり、その結果、成果も格段に変わって来る。

 いまの世は離陸率が高いと言われるが、目先の目標をただ追わせるようなことをしていると、いくら採用してもすぐに辞めてしまう。うるさいからがんばっているという自分にも周囲にも嘘をついた状態では、それだけで疲れてしまい、モチベーションが高くなることもなく、「うつ」の原因にもなり、いい仕事はできない。

2010年7月13日火曜日

原因か、手段か、それが問題だ

 たとえば私たちは、勉強するのがイヤだと言った場合、それを現象だと考えることで、その原因を探り出し、改善すれば、モチベーションもあがり、熱心に取り組むかも知れないと期待します。そして原因を探そうと躍起になります。

 しかし、勉強したくないのが目的だとしたら、原因を見つけることはできません。
 
 疲れている、やる気が起こらない、苦手だと理由(原因)を言っても、実は勉強しない原因ではなく、原因と思われるものは、実は勉強しないための手段でしかない場合があることに注意が必要です。
 手段であった場合には、目的を達成するための手段が、はてしなく繰り広げらることを発見します。つまりやらないためにやる気いっぱいの状態なのです。

 いつまでたっても、できない課題を抱えている場合、本当の目的は実現にあるのか、しないことにあるのか、じっくり自己分析してみる必要がありそうです。

 もし、目的がしないことにあるとしたら、その背景になにがあるのか、ライフスキル講座で投げかけている「人生脚本」との関係について考えてみたいものです。単純にしたくないのか、それとも
不幸なドラマの結末」に向かっているのか、それによって重要度が違ってきます。

 もし、「人生脚本」の結末を成功させるための、小さな失敗だとしたら、危険な失敗だからです。誰もが幸福になりたいと口にしますが、不幸の実現に躍起になっている人がいるものなのです。幸福のイメージが描けず、不幸のイメージがしっくりする人たちです。
 この種の人には、幸福を考える機会よりも、不幸を考える機会のほうが圧倒的に多いのです。

 考えてみてください。実に簡単な理屈です。お金持ちは、お金のことを考える機会が多いからお金と関係ができるのです。健康な人は健康について考える機会が多いから健康に暮らせるのです。

 本当の意味でやる気になればできる簡単なことができない場合には、自分が見捨てられることを求めているかもし知れません。親身に思ってくれる人の誠意に応えずに、挫折感を与えるようなことをしていると、最終的に心も身も離れていくことになるからです。

 私たち人間は社会的な生き物です。他の誰かと無関係に思えるようなことでも、ひとりの行動は誰かに影響しているものです。「自分のうまくいかない」は「他者への迷惑」になっている場合が少なくないのです。
 ですから、うまくいかないと「悩む人」は、その解決策として、他者への思いやり、関心を強くしてみてはいかがでしょうか? 自分のことはどうでもいいというわけではありません。自己中心的な考えにふりまわされた行動をやめて、相手、周囲の人の身になって考えた行動をするのです。

 たとえば、どのようなビジネスでも、利益を求めて経営していますから、その企業が行うサービスには、利益を得る目的があります。いま話題の「FREE」もその典型的な事例です。

 だからといって顧客に提供するサービスが、すべて利益を得る手段だとしたら、顧客はどんな感じを受けるでしょうか。
 顧客と企業との間で取引される商取引は、選択権は顧客側にあります。ですからサービスの結果、利益が自然についてくると考える会社がある一方で、逆に利益を得る手段だと考える企業もあります。この場合も、選択権が顧客にあると感じていないのかも知れません。これと同じことが個人の人間関係にもあてはまります。

 親しい関係をつくりたい、そのために軽快で楽しい会話がしたい、親密な関係をつくりたいと思いを巡らします。しかし、そう思うほどコミュニケーションが苦手になっていきます。なぜだと思いますか。すごく簡単です。相手のことを思う力を失った状態で、親密な関係を作るのは、考えていることと、していることがベクトルが逆だからです。
 
 こんな場合、考えるエネルギーと行動のエネルギーを一致させることが、いちばん簡単な方法なのです。下心なしに親身に相手のことを思うことです。

 ビジネスでも売ろう、売ろうと、考えていると胡散くさく思われて売れなくなります。しかし顧客を親身になってしっかりサポートしてあげると、顧客は自身の欲求に応じて、購買を決めます。

 自分をないがしろにするのと、相手を大事にするのは、どちらが上とか先とかという問題ではありません。自分と同じように相手を思い行動するということです。自他肯定の行動です。
 このときに注意したいのは、思ってはいるけれど行動にできていないときです。思っているけれど、行動していないというのは、思っていないのと同じです。

 日頃、飲酒違反はいけないと思っているが、飲酒運転したというのは、飲酒違反した事実があるだけです。私たちは行動の背景を考える習慣がありますが、行きすぎると事実(行動)を軽視することになりかねず、真実を見落とすことになりかねません。

 人間の行動のすべてには目的がありますが、冒頭にあげたように、目的を現象と考えてしまうと、本当に大事なことを見落としかねません。そんなことにならないように、したか、しなかった、あるいはしている、していないで事実を判断するようにしましよう。

 したいのにできない、やろうと思っているのにできないというのは、目的がしたいこと、やりたいことにない、むしろ危険な人生脚本の完結に突き進んでいないかを注意深く考えて、路線変更の警告だとと判断することが自分を大事にする意味で適切だと思いたいものです。

2010年7月1日木曜日

私だけの99日間プロジェクト 「仕事に打ち込める自分」と「恋愛依存からの克服」

 イライラする日がある。片づけなければいけないことがいくつもあって、時間も多くない。こんな時に、イライラする理由ははっきりしている。

 何をしたらどうなるのか、どのくらい時間がかかるのか。どうするために、どのようにしたらいいのか分からないのだ。気持だけが先走り、ナニをしたらいいのか分からないのだ。

 つまり片づけることがたくさんあるとか、少ないとかの問題ではない。時間が少ないわけでもないのだ。

 このようにするべきことがあるというのと、目標があるというのは、同じことだと考えるかもしれないが全然違うのだ。
 同じように、ナニもしない日がある。その一方に、なにをしていいのか分からない日がある。
 やはり似ていると考える人がいる。しかし全然違うのだ。両方に共通しているのは「どうしたいのか」の有無の点であって、それこそが決定的に違うのだ。

 目標とは、「どうしたいのか」ということなのだ。「どうしたいのか」のない一日とは、どのような一日か、少し想像力の働く人なら想像できるはずだ。浪費である。目的も目標もない人生は、浪費でしかない。

 しかしほとんどの人が浪費に気付かない。それどころか、娯楽や遊興に時間を消費して、積極的に気づかないようにしている。そしていまいるポジションに安住して、ただ維持するだけに終始している。

 人はささやかな目標、たとえば、今晩7時に鍋料理をするから、仕事を片づけて⒍時までに食材を用意すると目標を持てば、それだけで集中力を発揮する。鍋料理も食材の準備がなく、仕事をするのと、その集中力は同じだろうか。その答はあなたが知っているはずだ。

 たったこれだけのことで集中力に変化が起こるのだ。

 モチベーションについて、あらゆジャンルで研究され、それぞれのジャンルでキーワードも語られてきた。しかし、どんなジャンルにおいても、「目標」ほどモチベーションに密接に絡んだキーワードはない。

 このように、目標の有無、つまり「なにをどうしたいのか」がある生き方と、「なにをどうしたいのか」がない生き方では、まるで違う結果になることは明白だ。結果は行動の結果でしかないからだ。

 なにをどうしたいのかがない理油ははっきりしている。自分が自分に問いかけないからだ。問いかけると、いまのポジションに安住できないからだ。いまのポジションへの安住を望む一方で、目標もないまま、いま以上のポジションを漠然と望む。あなたが正常なら奇妙な矛盾に気がつくだろう。

 不安は自らの漠然さの中から生じる。漠然としている、つまり何をしていいのか分からないという状態が不安の原因である。しかし、それは自らが積極的に、何をしていいのか、分からない状態にしていることを忘れてはいけない。

 こういう人たちが、万能感を克服できないまま完璧主義から、見てくれのカッコよさを仕事に求める。
 カッコだけで設定した目標が本物の目標になることはない。「他者の目」が気にした目標、言い換えると主体性を放棄した状態で、自分が達成したい目標が生まれるはずもない。目標を達成するのは自分以外にないのだから。

 何をしていいのか分からない不安を打ち消すために、社内恋愛、その延長にあるような合コンにエネルギーを使って、自分と時間を消費するのがオチである。

 あるいは趣味と実益を兼ねて、ダイエット、語学、資格に取組みのが関の山である。それにしても「ジムでも行くか」程度で運動しても成果はないので、1ヶ月も続くこともない。



 さて、若くて美しい25才の独身OL、真希さん(仮名)の悩みは、恋愛すると他のことが手につかないという悩みだった。
 しかし真希さんは同時に厳しい労働環境も認識していた。同級生がフリーターにしかなれなかったために、その後もいい職場に恵まれないことを知っている。一流ではないが、成長も見込める中堅企業に勤務して不足のない暮らしをしている自分のポジションを失いたくなかった。しかし恋愛すると他のことが手につかず時には気が変になりそうで、有給を使ってフリーターをしている後輩に長々と相談する始末だ。相談していると、そこに恋愛が存在しているように感じて幸福感さえあった。

 こんなことではダメだと思いながらも、「彼のこと」が頭から離れない。彼女がライフスキル講座に参加して来た理由は、2つ。
 「仕事に打ち込める自分」と「恋愛依存からの克服」をするためにライフスキルを身につけたいといことだった。講座を通して、自分と他者の境界が曖昧であることを知った。自分の恋愛や人間関係のトラブルの原因を理解した。学んだことを実践していく内に、コミュニケーション力は変化した。

 そして真希さんは、新しい彼との関係を良くするために、「99日間プロジェクト」に望んだ。彼女のチャレンジは仕事中に彼のことや、恋愛について考えないというものだった。

 真希さんの99日間プロジェクトは成功したのだろうか、そしてどのような変身を実現できたのだろうか?暮らしの現場から熱いレポートをお届けします。

レポートは数多くあります。気になるテーマに見合うものを選択してお届けします。(もちろん。ご本人の承諾を得ています)無料レポートを読む


2010年6月14日月曜日

達成してからのモチベーションアップ。

 達成してからのモチベーションアップ。
 
 
 一般的に目標は一定期間の時間を投じて到達します。
 
 ですから、毎日、毎週、毎月、達成していくことが年度や半期の達成条件になります。
 
 もっとも最小の単位は「日」になります。
 さらに細分化して「時間」が単位になる場合もあります。
 
 最小の単位で目標設定する理由は、とるべき行動が具体的で分りやすくなり、具体的な分、反省しやすいからです。
 
 ところが、小さな単位の目標達成をしたら、それで安心する方も多いのです。作戦として、小さな目標を確実に重ねて、飛躍的な実績が期待できるのに、安心した結果、裏を返せば、緊張から解放されたくて、めざましい結果が出せなくなることもしばしばあります。

 達成してやっと、ようやくスタート地点に立ったと考えるくらいの厳しさを持ちたい。結局はその方が、コツをマスターして短期的にも、長期的にも、楽できるようになるからです。

 引越し屋さんって、冷蔵庫とか重い物をかついtで階段をスイスイ上って行きます。怪力でいなくてもできるのは、運ぶコツがあるからです。
 
 だから、小さな単位の目標達成ができないようなら、まだスタート地点に立てないほど遅れていると思った方がいい。
 
 まず、小さな単位の目標達成ができるように、打ち合わせをするのは、すごく大事で、この段階で大事なことはほぼ決まりで、後はモチベーションのマネジメントだけが課題という状態にしておくのが鉄則です。
ですからモチベーションの具体的なマネジメントも計画に織り込んでおくようにします。
 
 
 達成の可能性に強い不安があったり、目標をいったん達成しても、すぐ元へ戻ってしまうことは前提条件にしておくのです。
 
 
 実際、人の気持ちは刻々と変わるものです。やる気になっているように見えても、まだまだ「よし、やるぞ」と実行の段階に、なっていないことも、よくあります。
 
 小さな目標が達成できていても、逆に、やろうか、どうしょうかと、考えている段階に戻っている場合もあるので、抱えている不安を隅に追いやらずに、目標に臨むメリットとデメリットのリストに書いたことを、さらに具体的に詳しくはっきりと言葉にして書き出すのも効果的です。人間は言葉で考えるからです。書き出すことで、具体的な対策を練ることができるからです。
 
 
 上司として、介入して誘導する場合は、「よし、やるぞ!」まで、悪くても「やりたい」と思う状態まで誘導してあげると、途中での逆戻りを防げます。
 
 上司の存在感は、行けない場所に行けるようにしてあげることです。しかも本人の意志で行ったと思わせるようにしてあげる配慮も大事です。
 
 「どうしょうかな」と「よし、やるぞ」の間を行ったり来たりするのは珍しいことではなく、揺れを繰り返しながら覚悟が決まっていくものです。
 
 上司のサポートで気をつけることがあります。うまくいかないと熱心にサポートする人でも、業績がいいと安心してサポートがゆるくなることです。、早く手を離して台無しにしてしまう場合がよくあります。


 揺れる心情に気配りをして、「よし、やるぞ」から継続、維持の段階につなぐのもコツがあります。早く離せば上司は楽ですが、早すぎて結果的にうまくいかないと、面倒なことになります。
 
 上司の「そればかりしていられない」という心情は理解できますが、部下を持つ上司は部下を使って目標を達成するのが仕事ですから、部下のことが頭から離れない状態が正しい状態なのです。
 
 上司は部下のサポートだけでなく、自分の仕事があります。そればかりしていられないという心情を尊重するほど、タイミングを間違わないで、念には念を入れて一発で決める「必殺」の心構えでやるのが結果的には楽です。
 
 心を動かすという意味では、相手が部下でもお客さんでも理屈は同じです。
 迷う人には、メリット、デメリットを整理しながら話し合うことが必要です。

 個人の価値観と会社の価値観が違うことがあります。その場合は個人の価値観を優先します。そのうえで誤った価値観については、丁寧に指導してあげることが必要です。
 
 個人の価値観を優先する理由は、価値観を一致させるためです。一致させる優先順位は会社が先ではなく個人が先です。無理に従わせて、意欲が引き出せず嫌々していたのでは意味のないことに注意が必要です。
 
 会社にとっての重要、やる意味を一方的に伝えても意欲は引き出せません。
 「仕事だからやるのは当たり前だろう」という方が多いのですが、理屈はそうでも、それでやる気は引き出せません。
 
 また、やりたいと思っていても苦手なことがあると、苦手意識が邪魔をしている場合もあります。
 個人の価値観を受け入れるのは、共有できる価値観を見いだすためです。
 
 会社として必要を実行することが、個人の価値観、メリットと一致することを説明しないと、個人としては、やる意味や理由が見当たらず、やりたいと思うこともなく、やる気が起こらないのです。

2010年6月9日水曜日

自分が成長すれば周囲も成長する

 私たちはみんな、国、都道府県、家族、会社など、いくつもの共同体に属して生きています。
 共同体と個人の関係、共同体の仕組みを図にするとこんな感じになります。



 上の図の中心が本当の自分、その周りに役割の自分があり、この共同体の事例なら、さらに部下をはさみ、一番外側に外部と関わりを持っています。

 自分への信頼があると、自意識に邪魔されません。
 余計なことを考えたり、したりしないで、目的に集中できます。
 脱線せずに体験を通じて「役割の自分」が成長します。

 図のように部下を持つ「役割の自分」が成長すると、部下も牽引されて成長します。
 部下の力が強くなると外部に働きかける力が強くなり外部が拡大します。
 「外部」つまりお客さまや地域社会との関わりが増大しビジネスは拡大します。

 この本当の自分を中心に4つの輪は、それぞれ共存、補完関係にあります。
 それぞれ互いに利益を得ていて、「私」の成長で、4つの輪は拡大(成長)します。
 互いが自己主張にすることによって利益を得ることが出来るのです。
 ウィンウィンの見本と言えます。
 自己主張しないとコミュニケーションはできないので利益を伝えることもできません。
 アサーティブな自己主張の大切さが分かると思います。

 この関係は対等で、互いに相手(個人)の人格を認めあっていますが、役割の関係では上下があります。
 共同体とは一種のチームワークといえます。

 ビジネスの場面でいうなら指示する人と指示される人、売り手と買い手(お客さま)というように立場があります。
 決して立場が同じでないのは、役割があるからです。
 つまりチームワークだからです。

 自他ともに尊重し能力を認めるからこそ、役割に適した能力の発揮を要求します。
 お客さまが卓越した能力を期待するのも、売り手の能力を信じるからです。
 また、卓越した能力に経済的な価値があるのはお客さまが期待するからです。
 期待に応えることがお客さまの利益になります。
 銀行ならどんどんお金を借りてくれて利息で還元してくれることを期待します。
 発展してくれる企業と取引することは利益になります。
 言い換えると4つの輪が大きくなる相手の輪に入りたいと思います。
 ここでは省きますが、モラルハザードの大切さも窺い知れます。

 部下を持つ人が、経済的な価値のある卓越性を部下に求めるのは自然なことです。
 求めることで部下は成長し外部も膨らんでいきます。
 この関係は互いに活用しあうことで健全に発展します。

 反対に自分の能力を自ら値引きし、部下の能力も値引きして、部下に求めなかったら、この関係はしぼんでしまいます。

 そればかりではありません。
 部下は家庭に帰るとそれぞれが子を持つ親でもあります。
 家族という共同体の中心にいます。
 わが子に誇れる自分とは、本当の自分を活用している自立心旺盛な自分です。

 部下ひとりひとりの「本当の自分」が育っていくように、部下に対する責任を自覚は貴重です。
 自分が行動がもたらす結果の大きさに目を向けると自分が必要とされていることが分かります。
 誰も言葉にして言わなかったにしても、行動の結果が事実を明らかにします。
 その力に注目すると目標を達成する力がわいてきます。
 達成は自分と部下に自信を与えてくれ、外部にはよろこびになります。


 いくら真面目に働いても、望むような結果が得られないのは、注目するポイントがずれているからです。
 ポイントがずれているとプロセスを間違えるのです。

 結果は行動の結果でしかないので、プロセスを間違うと結果は思うようなことにはならないのです。

・ 目的からズレて、自意識が主役にならないようにする
・ 目的の達成度に注目し、自分の努力の量に注目しない
・ 卓越性こそ経済価値
・ 自分、部下、外部、つながる量が多いほど利益も大きくなるのは、利益を得ている人が増えるから
・自意識の強さに比例して自分も部下も成長しない

 本当の自分が役割を通じて外部とつながっています、
 この4つの輪は共同体です。会社が自己実現できるように、自分の自己実現を可能にすることが、最終的にお客さまや地域社会に幸福を運びます。
 サッカーではこの外部のことをサポーターと呼んでいるのは、みなさんがよくご存知のことです。

 共同体への貢献が勇気を育み自分を育てます。
 自分の存在価値を認めてほしいなら、共同体に貢献することです。
 個人・団体でも同じです。 自己肯定感が確かなものになっていきます。

 真に豊かな人生を過ごせるようになります。
 自己肯定スキルが育つと、どんどん前向きになり挑戦が楽しくなります。

 共同体は、ポリシー、コンセプトの基礎になっていて、モチベーションを引き出す原動力になることはいうまでもありません。

2010年6月1日火曜日

モチベーションを引き出す手順

モチベーションを引き出す手順

モチベーションは、次の5つの因果関係を、時間差を作らず、同時進行で引き出します。時間差ができてしまうと、相手にはわかりづらいので、やる気にならないのです。何日もかけたりするのは最悪です。

1. 目標達成ステップの踏襲
2. 達成の難易度(可能性)の判断
3. 達成時のよろこびの大きさ(満足度)
4. メリットとデメリットのバランス(不安とよろこびのバランス)
5. 具体的な計画(達成方法のマスター)


以上の5つの項目の内容は以下のようになっています。



▼「目標達成のステップ」を順に進む

STEP 1. 目標達成を考える以前の段階(何も考えない、現状のまま。)

STEP 2. 考えている段階(達成しないといけないかな、あるいは達成できなくても仕方がない)

◎ 達成の難易度と満足度のバランス

o メリットとデメリット(気がかり)のバランス

◎ 適切な目標と具体的で適切な計画

STEP 3. 準備の段階 (達成したい)

STEP 4. 実行の段階 (達成するぞ)

STEP 5. モチベーション維持の段階
    (「達成できそうだ」あるいは「今日は達成できた」)

STEP 6. 満足の段階(達成できた!)



では、ステップで気になる点を簡単に説明します。


▼「達成の難易度と満足度のバランス」を整える

達成の難易度の適正(適正の程度は計画の充実によって調整できます)

達成の満足度の適正(適正の程度は計画の充実によって調整できます)



▼「メリットとデメリット(気がかり)のバランス」を整える

1) 現在の仕事の仕方のメリット(しない場合のメリット)

2) 目標を達成しない場合のデメリット(しない場合のデメリット)

3) 目標達成した場合のメリット(した場合のメリット)

4) 目標達成する場合のデメリット(した場合のデメリット)


▼「適切な目標と具体的で適切な計画」を策定する

・原理原則を遵守している(お客さまを尊重している)
・良いサービスの条件を実現している

 1)必要な商品・サービス 
 2)商品・サービスが完全 
 3)感じがいい(気持ちがいい) 
 4)コストパフォーマンスが高い(費用対効果が優れている)
 5)買いやすい


さて、冒頭に戻って説明します。

以下の5つの課題(条件)は、どれかひとつをすると効果が出るというわけではなく、ほぼ同時進行することから、モチベーションは引き出されます。

1. 標達成ステップの踏襲
2. 達成の難易度(可能性)の判断
3. 達成時のよろこびの大きさ(満足度)
4. メリットとデメリットのバランス(不安とよろこびのバランス)
5. 具体的な計画(達成方法のマスター)

 5つは因果関係がありますので、同時進行しないと、全体像がぼやけます。
 
 何度も気持ちが揺らぎ目標達成ステップを行ったり来たりします。ウロウロしている間に、考えているだけで止まってしまいます。
 鉄は熱いうちに打てといいますが、打つ時期を間違って、揺らいでいる時期にスタートすると、覚悟が出来ていないため失敗します。

 取り組む魅力は、達成時の満足度、実行したときの不安とメリットへの気づきの集合で創造されます。

 いくら難易度が適切で、満足度も大きくても、実行段階での不安、いやな思いが強いと気持ちは引いてしまいます。

 それでも取り組む決意をするには、不安を乗り越えられると思える具体的な計画がないと不安はなくならないので、行動にまで進みません。

 しかし現実に多いケースは、具体的な計画も含めて、5つがバラバラに進行してしまうことです。何かが実行されなかったりして、いつまでも気持ちの整理ができないまま、モチベーションを引き出せずに準備不足でスタートしてしまうことが多いのです。

 当然、結果は求めるものには、ほど遠いものになります。その理由をやる気がないと結論づけるケースが多く、決して望ましいものではないので気をつけたいものです。

2010年5月31日月曜日

因果関係を計算して力を借りる

  達成したいと思うレベル STEP 3 準備の段階は次の段階へ進むか、あるいはレベルダウンして考えている段階に戻るか、大事な局面です。
 
 達成の可能性は目標の高さもありますが、確実な計画次第です。確実な計画とは、人、物、金、事の因果関係を計算したものです。しっかりした計画の度合いで、結果はピンからキリほど差が出ます。
 
 計画がしっかりしていると達成の可能性は高まり、雑だとさんざんな結果にもなります。
 
 計画の中身については、部下としっかり話し合います。実行当事者である部下に自信をつけてやる作業は欠かせません。計画の打ち合わせがあるのと、ないのでは天と地の開きがあります。
 
 
 
 ちなみに計画の打ち合わせとは部下と相談することではありません。
 
 部下の方が相談したい立場にあるのですから、部下を不安にさせないのがコツです。
 
 部下に「これならやれそうな気がする」と強く感じさせてやらないと、どうせできそうにないので取り組んでも仕方がないと選択されては元も子もなく、なにより興味を示しません。
 
 一応やるポーズは見せますが、ポーズは混乱のもとでしかありませn。
 
 弱い立場にある人は、その場を「ふり」でやり過ごすことが少なくありませんが、それを責めても意味がありません。「ふり」しないと事態がますます、厄介になるだけなのですから、それも生活の知恵です。
 
 そのうち叱咤激励している上司の方もポーズになってしまうのがオチです。それも生活の知恵です。
 
 
 表面的なやりとりに終始していては、仕事も自分も台無しにしてしまいます。
どうにもこうにもならない怠け者もいますが、大半の人は意欲的に暮らす方が断然楽しいわけですから、ポーズはやめて、、どうしたら心から熱くなれるのか、お互いに楽しく過ごすために煮つめます。

 上司が目標達成の方法を十分すぎるくらい知っていて、根拠が説明できないと意欲は引き出せません。
 
 達成の可能性をゼロと思っているネガティブな人を相手に、達成の可能性に確信がもてるほどに変えるわけですから、やり方の知識だけでなく、それ相応の心の準備と説明が必要です。具体的な事実に基づいた達成の確信が上司には必須です。
 
 上司が分らないでグラグラしていると、部下に確信を持たせようがなく、「頼りないな、そのくせ、偉そうにナンだ」と思われるのがオチです。
 
 
 実際の仕事の現場には、そうでない上司もいます。考えただけで逃げ出したくなる上司もいます。その気持ちや態度を責めても仕方がありません。
確信がもてる説明が無理なら、「自分もあきらめずに一生懸命にやるから、一緒にやろう」とハートで迫る態度はすごく大切です。反則ですが、それで効果をあげている人もいます。使うのが上手な上司です。つまり、人の力を借りるのがうまい人です。これはこれで因果関係を正しく計算できる人です。
 
 
 

2010年5月27日木曜日

考えている段階から達成したいと思うレベルへ進む

 STEP 2. 考えている段階(達成しないといけないかな、あるいは達成できなくても仕方がないかな。)は誰にでもありますが、個人差が大きいのがこの段階。

 STEP 2. 考えている段階から先の「達成したいと思うレベル」に進むのか進まないか、自己実現、仕事、学業、恋愛、結婚など大切なことであるほど、選択する局面では、感情的な選択、いわゆる一時の気の迷いで決めてしまわない限り、迷うのも無理がない。

 大事なことだから慎重に・・・・それ自体は間違っていないけれど、判断の裏付けすることもなく、ただ迷うばかりで、あるいは意味なく先送りするのは、単なる行動力のなさでどちらもNG。時にはチャンスを逸してしまいます。

 慎重とは、裏づけや準備をしっかりすることであって、迷っていることではありません。行動しないデメリットに突き上げられて、「なんとかしないと」、「やらなければいけない」、「どうしたらいい」と迷うばかりで、いつまでも何も変わらず、感情的な空回りを繰り返し。先送りばかりで「やりたい」になることはない。あるいは最後には感情的になってエイヤー。どちらにしても必要なところに、エネルギーが回らず、いい結果になりません。

 迅速で的確な判断によるはっきりとした自覚こそが大事です。迅速を強調するのは、裏づけや準備をしっかりすることの強調です。それなしに判断ができないからです。
重要な案件をいくつも抱えているのに、迅速な判断を下す人は判断のルールを持っているものです。

 はじまりは無関心。やがて関心を持って、やりたい、達成したいと思う段階に進んでいき、達成したいと思って取り組むのと、それほどでもない状態のままに取り組むのでは結果が違って当然です。明確な意識は目的、目標、計画をそれぞれ整理するうえで欠かせないだけでなく、目的、目標、計画をそれぞれに動かすマネジメントに影響します。

 目的・目標達成の条件はマネジメントが機能するかどうかにかかっています。意識が明確なしにマネジメントできません。マネジメントはPDCAのサイクルを循環させること。計画がしっかりしているほど、実行後の状況が芳しくなくても修正もしやすいものです。計画とは準備そのもの、その点からも、心の整理ができていないまま、なんとなくスタートするのは目標も曖昧になるので、お勧めできません。

 まず、とても大切な作業を最初にします。なぜ、それに取り組むことが自分のためになるのか、しっかり見定めましょう。この段階では、することが三つあります。
・メリットとデメリットで心の整理
・達成の満足度と難易度のバランス
・肯定的な意見と否定的な意見の確認


■メリットとデメリットで心の整理

1) 現在の状態のまま場合のメリット(実行しないメリット)
2) 現在の状態のまま場合のデメリット(実行しないデメリット)
3) 達成した場合のメリット(実行するメリット)
4) 達成する場合のデメリット(実行するデメリット)
以上の4つの角度からメリットとデメリットを分析します。

 考えている段階では、どんなメリットがあり、どんなデメリットがあるのか、はっきりしないことでも、上の図のように書き込んで、マトリックスにして整理すると判りやすくなります。 頭のなかで考えていることも、書くことで明確になります。必ず文章にしましょう。

 考えがあっても、分っていても、文章にすると書けないことがよくあります。言葉にできない、書けない場合は、本当は考えが整理できていないのです。日常的に的確に判断する習慣がついていない人は、面倒がらずに、きちんと文章化することは成功に欠かせません。メリット、デメリットがはっきりしてくると心の整理をしやすくなります。

 このマトリックスは、交渉ごとを整理する場合、買い物を決める場合など日常的な判断をする場合に幅広く使えます。ぜひ習慣的に活用してください。

2010年5月26日水曜日

モチベーションアップ 6つのステップ

想像は現実ではありませんが、現実の体験の影響を受けています。

 モチベーションをアップするとは自然発生的に起こるネ ガティブな想像を乗り越えてエネルギーにすること。

▼目標を 達成するには、必ず通過するステップがあります。

 STEP 1. 目標達成を考える以前の段階(何も考えない、現状のまま。)

 STEP 2. 考えている段階
     (達成しないといけないかな、あるいは達成できなくても仕方がない)

 STEP 3. 準備の段階 (達成したい)

 STEP 4. 実行の段階 (達成するぞ)

 STEP 5. モチベーション維持の段階(「自分にも達成できそうだ」)

 STEP 6. 満足の段階(「自分でも達成できた!」)




 最初、なにも考えていない状態にあるとします。
 
 【STEP 1.の状態】です。

 この状態にあるときに、目標にするべき情報が 当人にインプットされないとことは進みません。

 情報がインプットされて、はじめて考えだします。

 したほうがいい。したらこんなにいいことがあるというような情報も同時に インプットされないと心は動きません。


 たとえば「この商品を売ったらこんなに儲かる。だから販売したらいいよ」というようにインプットされて思案します。

 同時に「でもできるだろうか、そうは言っても難しいだろう な」というように反対意見も当人に生じて葛藤が起こります。

 この状態が【STEP 2.の考えている段階】です。まだまだ行動には進みません。



 「STEP 3の達成したいに進む」には、達成したときのメリットが分らないと私たち がなにかをどうしても欲しいと思うとします。

 でもお金がない。

 こんなとき、それで あきらめるようであれば、それだけの欲求です。



 欲求には、願望。欲望。必要。3つのレベルがあります。

 願望は空想に近いものです。
 欲望は願望がより現実的になったものです。
 必要は 欲望がより切迫したもので、実質的なものです。

 必要を満たすことは、願望や欲望を満たすよりも、深く大きな喜びを感じることができます。

 それだけ必要は、何をおいても最優先されるべき性質のものですから、どうしても必要だと思うと、お金がなくてもローンでも購入しま す。

 当人にとって、どうしても手に入れたいメリットがあるから、借金してでも買いたいと思うのです。

 通常、会社や店での目標は、この必要に位置するものです。

 取り組んで失敗している事例に共通しているのは、個人のプライベート、 会社の場合を問わずに、やるメリットが曖昧なまま、つまりSTEP 2~STEP 3の間でスタートした場合です。


 やりたいと思っていないのにスタートするのですから、それではうまくいかないのが当然です。。

 メリットとデメリットを知って、それでもやるだけのメリットがあると分った段階で、はじめてやりたいと思えるようになります。

 しかもその欲求が願望、欲望、必要のうち、必要と感じた場合に、達成したいと思うようになります。


 【STEP 3. 準備の段階】

 メリットは、デメリットと共に、次のように書き込むと分りやすく、整理しやすくなります。

 1) いまやっている仕事の仕方のメリット
 2) 目標を達成しない場合のデメリット(気がかり)
 3) 目標達成した場合のメリット
 4) 目標達成する場合のデメリット(気がかり)

 以上、メリットとデメリットについて下のように書きだします。


 ●いまやっている仕事の仕方のメリット

 ●目標を達成しない場合のデメリット

 ●目標を達成した場合のメリット
 
 ●目標を達成する場合のデメリット

 以上の4つに分類して、それぞれ書き込みます。

2010年5月16日日曜日

【モチベーション】やる気の出る秘訣

 そもそも、「モチベーション」という言葉は心理学用語ですが、日本で広く一般化したのは90年代末頃です。1998年に開催された『FIFAワールドカップ』フランス大会に日本が初出場、サッカーの人気が出始めたときに、マスコミによって頻繁に使用したのが始まりです。以来、日本ではスポーツの分野だけでなくビジネスの分野でも頻繁に使用されています。

 モチベーション(motivation)は、動機づけと訳されています。一般的には「やる気」「意欲」「士気」などの意味で曖昧に使われていることの多い言葉ですが、動機づけの意味は、モチベーションを理解する上でも、高める上でも重要です。

 たとえば、ある人が仕事に対して「一生懸命働きたい」あるいは「目標を達成したい」と意欲を持っているとします。その場合、理由もなく一生懸命に目標達成に努力している意欲の源になっている理由がなにかあるはずだと考えられます。

 確かに意欲的に行動をしている人には、「みんなに認められたいから」とか「もっと進歩したい」とか、「お金がもらえるから」とか個人的な理由が発見出来ます。動機が先にあるから、意欲が後からわいてくるという考え方です。

 それなら意欲的になっていない人でも、意欲的になる動機を与えてあげたら、意欲的に行動するはずだという発想に端を発しているのが「動機づけ」です。個人的にはガンガンやるような動機はないけれど、一生懸命に働いたり、学びたくなる原因となる動機を作ってあげると、意欲を高めることもできるので、望む結果も実現しやすくなるという考え方です。

 目標に向かって、どうなるのか見えないけれどとりあえず努力するやり方は効果的ではありません。物事には成功の鉄則があって、目標から「逆算」して、だからいまこうするという考え方は目標を達成する上で、とっても重要で、意欲のみならず、あらゆる面で必要かつ有効です。目標を達成するために必要な準備は全部やった上で行動する方法です。動機をつくるというのも要素のひとつとして欠かせません。つまり「仕掛け」です。

 モチベーションに似た意味の言葉に「インセンティブ」があります。広く浸透している「インセンティブ」は、「意欲刺激」とも言われています。
「モチベーション」が意欲を「本来の自分」にアクセスして心の内面から高めるのに対し、「インセンティブ」は,報酬などを期待させて意欲を「役割性格の自分」にアクセスして外側から高める働きをします。インセンティブは「報奨金」「奨励金」などの名目で使われるのが一般的です。



 インセンティブが役割の自分に働きかけるのに対して、モチベーションは本当の自分に働きかけます。本当の自分とは、人間の身体でいうなら神経のような役割をしています。その周囲にある「役割の自分」とは仕事などの役割で、後から作られていく性格をもった自分で、身体に置き換えると骨といえます。

 神経がやられたら身体がダメになってしまうように、本当の自分が機能しないと自己実現はできなくなります。モチベーションを引き出すことは、本当の自分を檜舞台に出してやるようにするといえます。モチベーションのことを、やる気を出させて、人を巧みに使う意味にとっている方もいるかも知れませんが、そうではなく「自己実現」で得られる喜びに向かう気持ちです。

 モチベーションを引き出すとは、互いに信頼、尊敬する関係を構築して、引き出される人が自分の行動による力で自分自身への信頼を回復して、自己主張ができる自立心を養い使うことで、自己実現を果たすことです。さらに共同体の役に立つことで、より確かな自信を持てるように勇気づけることです。

 だからインセンティブよりも、モチベーションの方が深く長期に、意欲を引き出すことが可能になります。それにしても「仕掛け」が重要なのです。「仕掛け」で決まります。どんな「仕掛け」が必要かというと感情レベルにまで到達できる仕掛けであることが条件です。感情レベルにまで到達することが不安を忘れさせるからです。考えることと、考えていけないことが逆になっているからやる気が起こらないのです。それを反対にすることがやる気の出る秘訣です。

やる気はIQではなくライフスキルの問題です。

2010年5月14日金曜日

選択の自由でモチベーションは変わる。

 アブラハム・マズローの欲求段階説からしたら、ビジネスも、勉強も、遊びも、スポーツでも、本当の自分を表現するツールといえます。

 自己実現したい、目標を達成したい。とほとんどの人は言います。自己実現したくない、目標を達成したくないなんて聞いたことがない。なのに、自己実現ができない。目標が達成できないのは、どうしてでしょうか?能力の不足なのでしょうか?

世間の主な尺度で測った「成功」を追求する人が多い。つまり自己実現でない成功を追いかける人が多いという意味です。努力できないのは、本当の自己実現ではないからです。他人の尺度で測った「成功」だから、本当にしたいと思っていないのです。

そんなものは本当の意味での成功とは呼べないと思います。ムリして必要でもない成功を追いかけている。成功は他者と比較できる性質のものではありません。他者の尺度で計れない。他者の物差しなんかいらないはずです。

たばこをヤメたいと思うのに、なぜたばこがやめられないのでしょうか?自分の気持ちが自分の思うように動かせないとはヘンな話です。それでも能力の問題なのでしょうか?そうではないのです。自分の脳で思うことを邪魔しているのは、なんでしょうか?自分が努力して邪魔して、自分の意志が通れないようにしているのです。邪魔しているのは、本当にしたいことが分からないからです。

自分のしたいことを、
      自分がどのようにして邪魔しているか、
                  考えてみましょう。

▼自己実現を妨げる問題のある行動

目標を達成するための行動を想像するといやになる。成功するやり方を聞いたりしたが、実行はしていない。そのやり方は過去にも取り組んだが、いつの間にか元のやり方に戻った。自分の習慣は、良い結果につながらないけれど、変えようとしていない。やらないといけないことは分かっているが、他にやる方法もあるのではないかと思う。

 自己実現を邪魔する行動は、いったいどこから来るのでしょうか?想像が意志を阻むのです。みなさんは相反する意志と想像が激突したら、どちらが勝つと思いますか?たとえば禁煙は簡単か、難しいか、どう考えますか?
苦労して禁煙に成功した人もいれば、

 禁煙できずに苦労している人もいます。簡単にやめた人もいます。禁煙したい願望は同じでも、プロセスや結果に違いが生じているのは、どうしてでしょうか?

 欲求のレベルには、願望、欲望、必要。の違いがあります。
 
 ・願望は空想に近いものです。
 ・欲望は願望がより現実的になったものです。
 ・必要は欲望がより切迫したもので、実質的なものです。

 意志の強さは欲求の強さの影響を受けます。必要と感じた場合に、目的や目標を達成する可能性は高くなります。しかし必要は理性的です。人間は感情の動物ですから、理性的な必要が感情にまで登りつめると欲求はもっと強くなる。つまり理性的な状態ではまだ弱い。

 欲求の違いは、想像の違いになります。想像は欲求の強さに比例しません。意志の強さに比例もしません。意志と欲求が比例しないのは、意志と欲求の間に想像が絡んでくるからです。想像は事実ではないが、欲求も意志も想像に支配されてしまう。意志も想像も脳で考えていることですが、相反する意志と想像が激突したら、間違いなく想像が勝ちます。

欲求が弱いとネガティブな想像に負けてしまう。想像に勝つには感情レベルになった「必要」が必要なのです。「どうしても必要なので何がなんでも手に入れたい。」という思い。

 意志と想像が同じ場合には、意志は想像に負けない。負けないでいると目標達成に疾走できるので、自己実現が容易になります。欲求を好ましい意志に置き換えるには、意志にふさわしい想像が起こるようにするといいわけです。それがなにがなんでも欲しいと思う感情レベルの必要です。感情を解放してあげる。具体的には、想像に注目しないで、感情に注目するようにする。

 選択なのです。どっちを選んでも自分の選択であることを忘れないようにしたい。どっちを選んだら、結果はどうなるのか。そのくらいの計算はできるはずです。モチベーションは選択の自由です。努力してモチベーションが下がる選択をしている人が多いのです。

2010年5月12日水曜日

自律型マネジメントでスピードアップ

マネジメントのはじまりは「目的」から落とし込んだ数値目標です。時間の流れの
早い現在、マネジメントを機能させるには、繰り返し話し合う時間、決める時間の
軽減は欠かせない条件です。

そこでまかせても安心な信頼性の高い「自律性」が重要になります。
まかせることは責任を引き受ける意欲に発展しますが、状況次第で不安にも、意欲
にもなります。モチベーションを引き出すには環境整備が欠かせません。

難易度と満足度のバランスを適正にして、「やれん気」から「これならやれる気が
する」さらに「やりたい気」にステップアップしていきます。「責任を引き受けら
れる」を「引き受けたい」に変えるのです。

図:やらん気~やりたい気マトリックス

   

それには、自分で参加し意見を出すこと、成功へのアイデアを出すことが欠かせま
せん。「これならやれそう」の気持ちは意見を出す者なら持つものですが、ひとり
よがりも少なくありません。いい提案は原理原則から逸脱せずに自由闊達のなかか
ら生まれます。マネジャーにとって、意見が活発に出るのは、ありがたい反面、複
雑になります。

マネジャーにはトップダウンの方が明らかに楽です。ピラミッド型のコミュニケー
ションはシンプルです。その分、モチベーションアップはマネジャーの力量に左右
され、育成もマネジャーの影響大です。

自律型マネジメントはピラミッド型のコミュニケーションにならず複雑です。蜘蛛
の糸のようにはりめぐらしたコミュニケーションになります。放置しておくと責任
の所在がはっきりしなくなり、誰も責任を引き受けない状況になることも多く、烏
合の衆になりかねません。

図:ピラミッド型と自律型



しかし、機能する自律型マネジメントでは、意欲、責任感の点で、トップダウンで
は得られない成果が得られます。自主性が発揮されやすいので参加者ひとりひとり
の「やりたい」と「忘れない」が効果を発揮するのです。理想はピラミッド型の蜘
蛛の糸(図:自律型)です。当たり前ですがマネジャーは忙しくなります。その場
合、不要なことを切り捨てないと、蜘蛛の糸は、ピラミッドから外れてしまいます。
外さないようにするには、必要なことだけに集中すること、つまり時間の使い方次
第です。

2010年4月30日金曜日

意欲的な人、そうでない人、ナニが違う

私たちには挑戦的な人とそうでない人がいます。最大の違いは、自分が自分の障害になる役割を積極的に引き受けて、自分の邪魔をすることです。

私たちは、それを「値引き(ディスカウント)」と、呼んでいます。自分の価値を値引きするという意味です。自分の力を使うことを禁じる方法です。

値引きは自分が自分の最大の障害になることです。

「値引き(ディスカウント)」は、じぶん力を弱める働きをします。実際の自分の力とは関係なく、主ピコ身によって思い込みによって自分を限定してしまう力です。

値引きは、自分でも判らないように使われます。たいていの場合、値引きは次のような言い方で実行します。

それは「その通り、 ○○○○○○○○、しかし、○○○○○○○○、もし○○○○○○○○、ならできるのに」という構文を使って自分や周囲の人を説得します。

この習慣はこどものときに学び、以来、繰り返し使い続けることで習慣化してほとんど性格的なレベルにまで高めてしまいます。

この構文を使うと挑戦することがなくなります。それは自分を保護する反面、長期的には、自分の持つ力を使わないままなので、実力が育まれないだけでなく、実力以下の自分に成り下がります。成り下がるために値引きしているのですから、成り下がります。

成り下がるメリットは楽になることです。

成功の定義はさまざまですが、挑戦する人は困難な問題から逃げることなく主体的に受け止めて、元気、活発に、乗り越えていこうとします。


メタボ、禁煙、依存、過労に代表されるような健康、運動の問題にも積極的に気を配り対処し臨んでいきます。値引きは挑戦する人にもあります。出来るだろうか、無理ではないだろうか、戸惑い、躊躇します。しかし、それを乗り越えるために、生じた値引き分を自分の内面で補うことを拒みません。結果的に品質改良を図り、逆に値増しで自信に変えていきます。

たいていの場合、集中すればすんなりできてしまうことが多いものです。しかし躊躇していると無意味にぐずぐずと先延ばしにして手を出さず時間を費やしてしまいます。

長引く躊躇は自分から力を奪います。議論すること、参加すること、出会いのチャンスを自ら禁じて、慣れ親しんだ世界から出ようとはしません。これは実際には退

行と同じで習慣化すると子宮の中にいるのと同じ状態と言って過言ではありません。余りにも強く守られたい、守りたいと、不安への防御が働くと不安が膨らみ、物事を等身大で受け止めることができなくなるのです。

自分を値引きする一方で、過大視するので、なにが現実か分からなくなってしまうのです。本当に注意を向けるべきことに注目できずに、他者の意見や感情に依存します。責任のない人生は気楽ですが、人生に意味を見出すことはできなくなります。

人生に意味があるわけではありません。仕事についても、結婚生活についても、子育てについても、最初から意味があるわけではありません。意味を与えているのは自分ですが、その肝心の自分が他者に依存してしまった状態では、意味の与えようがないのは当然です。

それほどまでして守りたい人生は、ただ身体があるだけになってしまいます。値引きは自傷行為の簡易版です。値引きがひどくなると生きている実感が薄れてしまいます。自傷行為はその延長にあると言えるでしょう。

仕事も結婚も、人生の核となるテーマです。何をしたかより、どのようにしたのか、そが重要であり、挑戦を物語るもので、自分の真実です。

自分と周囲の人を大切して、しかも意欲的なアサーティブな人がいる一方で、そうでない人がいます。何が違っていて、どうすればアサーティブで意欲的な人になれるのか?

その答えは、自分が自分の障害にならないことです。自分を値引きしないことです。したくなってもしないことです。値引きする方が楽なのです。

値引きする人は、してしまうことで自分には価値がないからお願いしますと任せてしまおうとするのです。

マートワン
【アサーティブネス】自分をじぶんの味方にするために
【アサーティブを学ぶ】ライフスキルで自分を動かす
日本全国男前プロジェクト
ゲンキポリタンのじぶんぢから再生プロジェクト

2010年4月28日水曜日

結果が出る前に手を打つ、ターミネーターしてますか?

因果関係を計算して、逆算することで導き出したプロセスが計画になります。

1)まず、あらゆる結果を予測します。
2)予測できるあらゆる結果に対して、どんな原因(因果関係)があればそういう結果になるかを考えます。
3)良い結果にするには、どんな原因(因果関係)があればそういう結果になるかを考えます。
4)悪い結果になる場合には、どんな原因(因果関係)があればそういう結果になるかを考えます。
5)悪い結果になる場合の原因(因果関係)を撲滅します。
6)良い結果にするために必要な原因(因果関係)を準備します。
7)実行しながら状態を見て調整を続けます。

因果関係に注目して対策するのは、元から絶たないとダメだからです。

イメージとしては、映画『ターミネーター』がいい例です。

『ターミネーター』という映画のあらすじはこんな感じです

近未来に於いて反乱を起こした人工知能スカイネットが指揮する機械軍の攻撃によって人類は絶滅の危機を迎える。しかし抵抗軍指導者であるジョン・コナーの指揮で人類は反撃に転じる。
脅威を感じたスカイネットは、未来から1984年のロサンゼルスへ殺人アンドロイド『ターミネーター』を送りこむ。目的はジョン・コナーを生む前の母親となるサラ・コナーを殺害することである。1984年時点ではまだジョン・コナーを産んでいないので、生まれる前に母親を殺害すればジョン・コナーを歴史から抹殺できるので抵抗軍の反撃は起こらないからだ。
同じ頃、人類側からも男性兵士カイル・リースがサラの護衛という使命を帯びて未来から送り込まれる。こうして人類の命運を分ける戦いが、1984年のロサンゼルスで始まる。

『ターミネーター』という映画は公開当時、斬新な発想と受け止められて大ヒットしました。アンドロイドを別にすれば、分かっている人は同じことを習慣化していたのです。目標達成のコツは、昔から「結果が出る前に、問題を潰してしまう」ことにあります。それが計画です。つまりあなたはジョン・コナーをやっつける立場にならなくてはいけないのです。
映画の方はジョン・コナー側が勝つようになっていますが、仕事では逆でないと困ります。

当たり前ですが、結果が出てからでは遅いのです。反省はできますが、次は失敗しないためにするものです。次はうまくいくように事前に手を打ちます。そのときに因果関係を計算して影響の大きいことから優先的に潰しておきます。
いくら潰したつもりでも、思った通りにいかないものです。実際の場面では調整が必要になります。いわゆる「マネジメント&コントロール」をしていくことがマネジャー(管理者)の仕事です。

調整が少なくてすむほど楽に展開できます。調整が少なくすむ計画を組めることが優秀なマネジャーの重要な側面です。目標を山の頂にたとえるなら、正しく逆算して作った計画と計画通りに進めるようにするのは、山道にエスカレータを設置するようなものです。パートナーが楽に仕事できるようにできるか、できないかはマネジャーの腕次第ということになります。

先にお話したように、経験が役立ちます。経験で補えない部分、つまり見えない部分は、先見力が役立ちます。先見力とは、適切な仮説で組み立てた準備です。仮説とは想像でも思いつきでもありません。仮説とは体験で得た情報以外に自分が持っている情報を使って逆算することです。

さて、蜘蛛の糸のような因果関係を計算して計画する、計画を実行して、結果が出る前に手を打つ・・・・これがどこに行くのかというと、モチベーションなのです。

2010年4月24日土曜日

逆算する意味と効果

社会と学校の違いは、社会においては結果を出すことにあり、学校では学ぶことにあります。違いは明白です。つまり社会においては結果がすべてであって、努力の多寡(たか)は問題ではないのです。しかし結果は行動の結果でしかありません。努力の多寡も行動ですが、多寡だけでなく「行動の質」が大切なのです。

確かにほとんどの組織において評価する場合、外部的な要因や社内での要因の違いで不公平が生じる場合があります。そこで数字で計れるはずの「行動の質」に見落としがないように、数字的な成果のみでなく、「行動の質」を主観的な評価で加え不公平を緩和することと”期待値”を加えることをしています。しかし行き過ぎると結果主義が中心になり、成果プロセス主義が陰を潜めることになります。

結果主義は実績の多寡で判断するやり方です。俗に言う結果オーライを本分としています。成果プロセス主義はできたか、できなかったで判断するやり方です。結果主義が危険であることはすでに広く認知されています。結果主義の最大の欠点は自分に仕事を合わせる点にあります。最も恐ろしいことは、こんなに努力しているではないかと精神主義を土台にした誤った自己肯定に走る点です。

いかなる努力について否定することはありませんが、社会と学校の違いが出発点にないとつじつまの合わないことが生じてきて、どこで間違ったのか分からなくなり混乱の原因になります。

成果主義もプロセスを度外視して結果だけを云々すると、精神的な結果主義の衣装直しになります。数字だけこだわったノルマ主義になります。精神論ではなく現実的なプロセスの積み重ねが大事なのは言うまでもありません。成果主義といわず成果プロセス主義と言っているのは、プロセスへの注目なしに、成果主義はありえないからです。

結果主義をよしとする風土には、ノルマ主義をよしとしない考えがあります。つまり結果に対する反応の仕方を気にしているだけで、もっとも重要な「プロセス」への関心が抜け落ちているのです。結局、結果主義もノルマ主義の日常的な反応に大差ないことをしているわけで、目標達成は、逆算なしにあり得ないという考えとは離反しています。

目標を達成するには「結果」から逆算した計画つまりプロセスを組み立てることが欠かせません。成果プロセス主義にはこれがあります。成果主義と看板を書き換えたノルマ主義にはこれがありません。結果主義も同じです。プロセスへの注目がないのは「さあ、がんばってやっていこう」という精神主義だからです。

「八甲田山」という映画には、製作者の意図とは関係なく期せずして、この違いが明白に描かれています。無事に全員が帰還したチームには、その行程のすべてが逆算で行われていることが描かれています。全滅した側には、それがあるようでありません。「あるようでない」という点に特別な注目が必要です。映画もそうですが、私たちの現実において注目が必要なのです。

どのようなやり方を採っても、努力があり、それなりに努力の結果が出ているからです。こんなに頑張ってやって、結果が出ているのだから、この上なにが問題なのかと思うのは心情としては理解できます。しかしこれこそが落とし穴なのです。

落とし穴を避ける手段が他者(社)の実績です。なぜ我々とかけ離れた実績が出ているのか、といった素朴な疑問です。本当に努力の度合いが高いほど、努力だけで割り切れない問題があると感じることができます。努力でカバーできない「やり方」つまりプロセスの違いこそ核心なのです。

逆算の方法をするには、結果を知っている必要があります。そのまま考えると「すでにやり方を知っている」ということです。以前、やったことがあるが、こういう問題が起こって、こういう対策をして乗り越えたというような成功例、失敗例があると、うまくいく方法を見つけ出しやすくなります。その点で「経験」が効果を発揮します。


ところが現実には経験者なのに逆算できない人がいる一方、未経験者なのに逆算できる人がいます。その最大の原因は「逆算の必要性」を知っていて、実行していることです。未経験なら聴けばいいし、仮説を使えば、経験不足を補うこともできます。さらに逆算を有効にするのが因果関係を計算することです。

プロセスは、物事の道理(原理原則、ルール)、因果関係を計算しつくして逆算することで作れます。計算不足はマネジメントで補えます。俗に言う「危機管理」はそれなしにできません。事故が多い、トラブルが多い店とは、日常的に逆算していない店です。

・体験を生かしていない、
・想像力が欠如していて予測できない
・道理・因果関係を考えていない(マネジメントに関心が弱い)

なぜ、そんなことになるのでしょうか?

私たちが最初の一歩だった学校教育を思い出してみましょう。成績の良い子と良くない子はなぜ生まれるのでしょう。「勉強が楽しくなかったから」と言います。その原因は「先生が好きでなかったから」が多いようです。離職の理由とよく似ています。「上司がいやだった」「仕事が楽しくない」しかし本当のところ何が原因だと思いますか?

◎本音の退職理由 ランキング

1 位  上司との人間関係 66人
2 位  給与が不満足 44人
3 位  仕事に変化がない、おもしろくない 40人
4 位  会社の経営方針・経営状況の変化 38人
5 位  キャリアアップしたい 38人
6 位  労働時間や環境に不満 32人
7 位  勤務地までの距離・環境に不満 18人
8 位  社長がワンマン 26人
9 位  同僚・先輩・後輩との人間関係 25人
10位  社風が合わない 23人
11位  雇用形態に不満


主体的に生きる人もいますが、「上司との人間関係」を始め、ほとんどが主体性の弱さなのです。

積極的に参画してくる部下を上司は嫌うでしょうか?先生はどうでしょうか?人は誰でも認めてほしい生き物です。生きている限り、肯定を求め続けます。学校における成績と違いと教師への態度の原因は「予習」にあるのです。

本当の意味で学校は教わる場ではないのです。確認する場なのです。小学校1年生の始まりは、全く知らないことを教えるところから始まっていません。つまり子供はすでに知っていることを”教わる”のです。受け身の生徒からすると”教わる”になりますが、積極的な生徒からすると学習した結果の確認作業です。このスタンスは学校教育の課程がすべて終わるまで続きます。

この認識を間違えてしまうと、知らないことがどんどん出てくるようになり、勉強がいやになり、楽しくなくなり、成績が低迷します。「知っていることを確認する」のが学校です。ところが知っていることを”教わる”ので安心して自習しなくなる子が出てきます。学校に行ってもついてこられなくなります。頭が悪いわけでもなく何でもないのですが、「努力」の仕方が分からなくなってしまいます。努力の仕方が分からないから努力はつらいものと認識してしまうのです。こんなふうにしてしまうのは大人の責任なのです。

目標は逆算しないと達成できないというのは、これと同じなのです。答えをすでに知っていて逆算するのが本来なのです。知らない部分を聴く、仮説を立てて不足を補うのが行動するための手段なのです。この部分が社会で求められている部分なのです。なぜなら「結果を出さないといけない」からです。学校ではないので、努力の多寡(たか)ではないのです。学校は結果主義なのです。入試だけが成果主意です。だから入試は意識の上で特別な勉強の対象になっています。だから知らない部分を聴く、仮説を立てて不足を補う努力をします。

しかし組織は失敗ができないので、理想論ではなく、現実的に対応するために、管理者(プロフェッショナル)と一般従業員(ワーカー)に役割を分担します。管理者(プロフェッショナル)が予習していて教えることができる人です。一般従業員(ワーカー)は予習のしてない人です。実体験を通して「予習」を重ねているのが一般従業員なのです。予習の期間は勝手な行動をさせないように管理者が監督しています。管理者は逆算でプロセスを間違わないように行動できる人です。

つまり結果主義とは、全員が予習中の状態なのです。それが分かっている場合において結果主義はありえます。管理者がまだ管理者になりきっていない場合においてのみ採用するのが結果主義なのです。逆算できるようになるトレーニング期間です。

間違って結果主義を採る限り、逆算の必要は生まれません。体験だけでは補えない逆算の必要があるから人は”学習”します。調べてまわり、聴いてまわり、仮説を立てて試します。それが教育なのです。教育があるから成長します。教育とは学ぶ者に主体性がないとできないのです。結果主義も主体性がないと逆算できる力への発展がありません。選択と行動は本人にしかできないものだからです。

2010年4月23日金曜日

チャート化で4つのスキルを同時に身につける


青といっても人によって青のイメージは随分違います。言葉によるイメージは様々なので同じイメージが伝わるかどうか疑問です。

そこで「プレゼンテーション」や「セミナー」では、パソコンで作った資料を使って説明をする、聞く機会が多いと思います。チャート、イラスト、箇条書きによる説明は理解しやすく、受け手の思考の手助けになります。

同じことは日常業務にもいえます。人は考えていないことは行動できません。ですから分からないことも行動につながりません。ですから複雑な分析や情報を、相手にわかりやすく伝えることで、理解が深まれば、その分、モチベーションも変わります。

文章を丁寧に分かりやすくするために長々と書いてあっても、受け手は文字数を見ただけで嫌になってしまいます。読み終えても、どれだけ内容を理解したか、疑問が残ります。ほとんどの場合、ごく一部が印象的に残るだけです。それはそれでいい点もありますが、ビジネスシーンでは、行動につながることが前提です。

ところが発信する側も、チャート化することを考えると、難しく感じることも少なくありません。そこでは言葉で伝えようとします。コミュニケーションがうまくいかずに理解不足によるモチベーション不足になることもあります。

モチベーションアップに不可欠な7つの基本的なルールのひとつ「知識・技術要因」に不足が生じてしまうからです。チャート化して説明する習慣をつけましょう。と、言っても身構えることはありません。パワーポイントを使う必要もありません。ペンと紙があればできてしまいます。

マインドマップも同じです。マインドマップは自分が理解するために書いた方が分かるから書いて整理するためのもの。自分が分かりやすいように書けばいいのです。

チャート、図式も同じです。自分と相手に分かりやすく伝えるためのことです。
レポート用紙や、不必要な裏紙、カフェの紙ナプキンでも充分。会話しながらチャートを描き、説明する。相手にすんなり理解してもらうことが目的ですからシンプルにまとめて伝えることは鉄則です。わかりやすくビジュアル化することは実は合理的な仕事の進め方なのです。

受ける側もメモ用紙を常に携帯するのが常識です。携帯電話は持っているけれど、メモ用紙を持っていないのは常識がないと言われます。コミュニケーションするときに気軽にチャート化した図式を描ける状態にあること、それだけでもモチベーションの高い人の証明になります。

●日頃からチャートを活用し、論理的思考を育む習慣を身につける
●チャートを利用して、コミュニケーション力を身につける
●論理、仕組みをわかりやすく伝える習慣を身につける
●コミュニケーション力を高めてモチベーションをアップする習慣を身につける

チャート化で4つのスキルを同時に身につけることを習慣化しましょう。


アサーティブ
アサーティブの歴史

2010年4月2日金曜日

「労働時間や環境に不満」を解決する

◎本音の退職理由 ランキング

1 位  上司との人間関係 66人
2 位  給与が不満足 44人
3 位  仕事に変化がない、おもしろくない 40人
4 位  会社の経営方針・経営状況の変化 38人
5 位  キャリアアップしたい 38人
6 位  労働時間や環境に不満 32人
7 位  勤務地までの距離・環境に不満 18人
8 位  社長がワンマン 26人
9 位  同僚・先輩・後輩との人間関係 25人
10位  社風が合わない 23人
11位  雇用形態に不満

本音の退職理由の中でも、「労働時間や環境に不満」は、部下側がコントロールしにくい問題です。「仕事なんだから仕方がないだろう」で片づけてしまう上司がいますが、それは乱暴というもの。なかには「オレも好きでやってるんじゃない!」と言う人もいる始末。これでは部下が明日の太陽を見失うのは無理がありません。


勤務時間の問題は、家族間のことや個人的な問題で、どうしても解消できない場合があります。それを除くと、目的、目標があればクリアできるし、気にもならなくなります。

最も多いのは、目的、目標がないことに起因することです。漠然と仕事をするのではなく、目的、目標があることが意欲の源泉になります。また目的、目標があると興味、関心も強くなるので、疑問や問題意識が働き、意欲のスパイラルにはまります。

自分の希望と一致した会社に入社できなかった場合もあるでしょう。だからといって目的、目標が持てないというのはおかしな話です。どんな会社、業界でも学ぶことはたくさんあります。

この世界で行われている仕事は、必ず人につながっています。仮にいまの職場を離れるようなことになったとしても、現在の仕事が役に立たないことはありません。もし何の役にも立たなかったという先輩がいたとしたら、その人がおかしいわけで、学ぶことが見いだせないというのは、視野が狭すぎるのです。

しかし若くて経験が乏しいとは、視野が狭いことが含まれています。本人任せにしていると不満のまま離職に発展します。つまり彼らには視野を広げる理由がないのです。

勤務時間が気にならない理由が「目標達成のためだ。仕方がない。」では働く意味が見つけられない人には、荷が重いでしょう。心が折れてしまう人も多いでしょう。

どんな仕事にも働く意味はありません。働く意味を仕事に吹き込むのは自分です。

・働く意味を発見するから、視野が広がる
・視野が広がるから、働く意味が発見できる

視野を広げる理由あるいは働く意味を見つけてやる手助けが必要になる場合があります。その場合、なにより本人にその必要がないことが障害になります。理由を求める人には手を差しのべることができますが、そうでない人には逆に拒絶されます。そこまでされてサポートする理由なんかないと、サポートする側がサポートの理由を発見できないことも少なくありません。それではどっちもどっちです。

働く意味も、サポートの意味も同じ道。つまり主体性の問題なのです。つまらないと思えることに主体性を持てないことが、意味を発見できなくしているからです。視野の広げ方もいろいろですが、つまらないこと、いままで気にしないことをきっかけに広がっていくものです。

元に戻りますが目標は、視野を広げるエネルギー、働く意味を見つけるエネルギーになります。目標は人生のすべてを楽しむコツですが、行動しないで目標はできません。モチベーションがあがったときに目標を発見できます。これらすべてを束ねているのが目的です。目的のない人生が楽しいはずがない。目的は人生を楽しむためのものだからです。

目的なしにチームワークはできないので、勤務時間の問題をクリアするひとつの方法として、上司ができることはチームワークを機能させることです。

・チームの目的・目標がチームに浸透していること
・チームに目的・目標達成の意欲が高い事
・チームの成果がフィードバックされていて認識していること
・チームに対する外部の評価がファイードバックされていること
・チームの成果が、個人の貢献に支えられていることがフィードバックされていて、
 その実感が各自(本人)にあること。

チームを機能させるには「創意工夫」です。「創意工夫」とは前提を疑いくつがえしていくことです。それが原理原則から逸脱していると使い物になりませんが、人を巻き込む力は注意、関心、興味を生み出す主体的な「創意工夫」なしにはありません。巻き込む力とは楽しむ力であって、創意工夫が出発点です。



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2010年3月21日日曜日

モチベーションは本当の自分にアクセスするスキル

「モチベーション(motivation)」が,意欲を「本来の自分」にアクセスして心の内面から高めるのに対し、「インセンティブ」は,報酬などを期待させることによって意欲を「役割性格の自分」にアクセスして外側から高める働きをします。


インセンティブは「報奨金」「奨励金」などの名目で使われるのが一般的で「意欲刺激」と呼ばれています。





上の図のように、インセンティブが役割の自分に働きかけるのに対して、モチベーションは本当の自分に働きかけます。
その違いからインセンティブよりも、モチベーションの方が深く長期に、意欲を引き出すことが可能になります。


本当の自分とは、人間の身体でいうなら神経のような役割をしています。
その周囲にある「役割の自分」とは仕事などの役割によって、後から作られていく役割性格をもった自分で、身体に置き換えると骨といえます。
神経がやられたら身体がダメになってしまうように、本当の自分が機能しないと自己実現はできなくなります。



モチベーションを引き出すことは本当の自分を檜舞台に出してやるのと同じです。
モチベーションのことを、やる気を出させて、人を巧みに使う意味にとっている方もいるかも知れませんが、そうではなく「自己実現」で得られる喜びに向かう力を引き出すことです。
  ところで、本当の自分とは、どういう自分でしょうか?
私たちは、よく「本当の自分」と表現しますが、なんとなくイメージできても、かなり曖昧です。
世界保健機構が提唱するライフスキルがあります。


これは健全な生活を実践する上で必要な技術のことですが、これらのスキルが「本当の自分」と見ることができます。

ライフスキルは、以下のスキルです。



・自己認識 Self-awareness
・共感性 Empathy

・効果的コミュニケーション・スキル Effective Communication Skills

・対人関係スキル Interpersonal relationship Skills
・意志決定スキル Decision Making Skills
・問題解決スキル Problem Solving Skills

・創造的思考 Creative Thinking

・批判的思考(クリティカル思考) Critical Thinking

・感情対処スキル Coping with Emotions

・ストレス対処スキル Coping with Stress



以上10 の技術のことで、これらのスキルは誕生から成長の過程で身につけていくものです。



10 のスキルは相互に影響しあっています。

相互に影響しあっているために、あるスキルが未熟なことから思うように使えないことから、持っているスキルを使いきっていないと感じたときに、本当の自分が出ていない、表現されていないと感じます。また、これらのスキルは感情の影響を受けます。



 モチベーションを引き出す作業とは、10 のスキルへの呼びかけであり、呼び出すための勇気づけ、つまりライフスキルの肯定をしてあげることといえます。
引き出す人と引き出される人の間では互いに信頼が欠かせません。

信頼はお互いの行動と成果で深まります。


行動については目標達成のプロセスの共有の仕方と強さが影響します。
また成果についてはフィードバックの方法や頻度、時期が影響します。
成果のフィードバックは会社なら上司がしますが、成果を確認することで、自分自身への信頼を回復して、自己主張ができる自律心を養います。
自律心を使うことで、自己実現を果たし、さらに共同体の役に立つことで、より確かな自信を持てるようになります。



共同体とは、カップル、家族、会社、サークル、町内、国などです。
私たちは所属したい欲求、愛されたい欲求、承認されたい欲求があります。
その土台となるのが共同体です。共同体は自分のアイデンティティに強い影響を与えています。


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内的動機づけ(モチベーション)と外的動機づけ(インセンティ ブ)

 モチベーションとは何でしょうか?
モチベーションは心理学で使われる用語ですが、日本で広く一般化したのは90 年代末頃です。
1998 年に開催された『FIFA ワールドカップ』フラ ンス大会に日本が初出場、サッカーの人気が出始めたときに、マスコミが頻繁に使用したのが始まりです。

以来、日本ではス ポーツの分野だけでなく、ビジネスの分野でも頻繁に使用されています。
モチベーション(motivation)は、動機づけと訳されています。一般的には「やる気」「意欲」「士気」などの意味で曖昧に使われていることの多い 言葉ですが、動機づけという日本語訳は、モチベーションの意味を理解して、意欲を高める上でも重要です。

たとえば、ある人 が仕事に対して「一生懸命働きたい」あるいは「目標を達成したい」と意欲を持っているとします。反対にそうでない人もいます。
その場合、一生懸命に目標達成に努力している人には、意欲の源になっている理由がなにかあるはずだと考えられます。

確かに意欲的に行動をしている人には、「みんなに認められたいから」とか「もっと 進歩したい」とか、「お金がもらえるから」とか個人的な理由が発見出来ます。
動機が先にあるから、意欲が後からわいてくるという考え方です。
そうだとしたら、意欲的になっていない人についても、意欲的になる動機を与えてあげたら、意欲的に行動するはずだという発想に端を発しているのが「動機づけ」です。

個人的にはガンガンやるような動機はないけれど、一生懸命に働く、学ぶ要因を 作ってやることで、意欲を高めると、望む結果も実現しやすくなるという考え方です。目標に向かって、どうなるのか先のことは分らないけど、とりあえず一生 懸命に努力するというやり方は効果的ではありません。

目標に到達するには原理原則があります。目標から「逆算」して、道筋つまり計画を立て、刻々と変化する状況に対応しなが ら目標に到達するように進めていくことは、とっても重要です。「いまこの瞬間に最大の力を発揮し続ける」ことが大切なのです。

具体的に言うと
・いましていることが、適切であること。
・いましていることに、集中していること。
・いましていることに、ふさわしいスキルがあること。
ということです。

そして、これらは「意欲」がないとできないことばかりです。

 意欲はどうす れば高まるのでしょうか?
たとえば大人 がクルマにワックスをかけていたりすると、こどもがぼくにもやらせてといったりします。

大人には仕事であっても、こどもには遊びになるのは、関心が高まり、自発的に意欲が高まった結果です。つまり内的な動 機づけが起こった結果です。

 動機づけには、このような内的な動機づけと外的な動機づけがあります。
どちらがどうかというと、自分の内面から起こった意欲の方が強く持続しやすい傾向があります。

たとえば「ワックスがけ を手伝ってくれたらおこずかいあげるよ」と言われてワックスがけをするのと、面白そうだからやってみたいと自発的にするのとでは、作業する態度や表情も 違ってきます。
「自分が起こした行動」 と「人に言われて支配された状態での行動」では、「自分が起こした行動」の方がダイナミックなのは「楽しさの実感」「変化する実感」「自分で自分をマネジ メントしている気持よさ」の影響です。

「人に言われて支配された状態での行動」には苦痛が生じます。そこで苦痛の代償と してインセンティブが与えられたりします。
「インセンティブ」は、モチベーションを必要とする場面で、なんとなくモチベーションに似たような使われ方をします。

モチベーション が内的動機づけであるのに対して、広く浸透している「インセンティブ」は、外的動機づけであり「意欲刺激」とも言われています。
つまり外側から動機づけることで、内的な動機づけを自発的に起こしてほしいというのが、もっとも多い一般的な狙いでモチベーションを高めるために使われます。


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2010年3月20日土曜日

自己実現ができない理由


自己実現を希求する人にすれば、ビジネスも、勉強も、遊びも、スポーツでも、本当の自分を外に出すためのツールみたいなものといえます。広く認知されているアブラハム・マズローの欲求段階説から見えてきます。



 世の中には自己実現でない成功もたくさんあります。世の中の一般的な基準で見ると成功しているように見えても実は当人は違うことを求めているということもあります。これでは本当の意味での成功とは呼べないと思います。自己実現こそ成功と呼べるわけで、成功は他者と比較できる性質のものではありません。



 さて、興味深いことに、ほとんどの人は「自己実現したい、目標を達成したい。」と言います。自己実現したくない、目標を達成したくないなんて聞くことがありません。なのに、自己実現ができない、目標が達成できないのは、どうしてでしょうか?
「やりたいけれど、考えるだけでいやになるんだよね」という言葉も耳にします。
「総論賛成、各論反対」の政治家の先生のようなことが起こってきます。



 自己実現ができないのは、本当に能力がないからでしょうか?

では、たばこをヤメたいと思っているのに、なぜやめられないのでしょうか?
能力の問題なのでしょうか?そうではないですよね。意志が弱い?強い弱いが問題なのでしょうか?必ずしもそうとは言えません。



思えば、自分の気持ちが自分の思うように動かせないとはヘンな話です。別に束縛されているわけではないのに、どういうわけか自分の意図することができない。自分の脳で思うことを邪魔しているのは、なんでしょうか?自分の「気持」が邪魔をして、自分の「考え」が通れないようにしているのです。



自分のしたいことを、自分がどのようにして邪魔しているか、考えてみましょう。
自己実現を妨げる問題のある行動には以下のようなことがあります。




●自己実現を妨げる問題のある行動



・目標を達成するための行動を想像するといやになる。

・成功するやり方を聞いたりしたが、実行はしていない

・そのやり方は過去にも取り組んだが、いつの間にか元のやり方に戻った。

・自分の習慣は、良い結果につながらないけれど、変えようとしていない。

・ やらないといけないことは分かっているが、他にやる方法もあるのではないかと思う。

これらの自己実現を邪魔する行動は、いったいどこから来るのでしょうか?
自分が描く想像が自分の意志の邪魔をしているのです。みなさんは意志と想像が同じ場合はすんなり行動できますが、意志と想像が反対の場合は困ったことになります。



相反する意志と想像が激突したら、どちらが勝つと思いますか?間違いなく想像が意志に勝ちます。自己実現を妨げる問題のある行動も想像が邪魔をした結果です。

たばこがやめられないのも、意志の弱さというよりは想像が意志をくじいたからといえます。ネガティブな想像を乗り越えて自己実現の方法を発見して身につけていくのが、この「いまより3倍!とんがるモチベーション」です。


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モチベーションを引き出す手順


モチベーションは、以下の5つの要素を、時間差を作らず、同時進行で引き出します。
時間差ができてしまうと、相手には分かりづらいので、やる気が起こりにくくなります。何日もかけるのは最悪です。

1) 目標達成ステップの踏襲
2) 達成の難易度(可能性)の判断
3) 達成時のよろこびの大きさ(満足度)
4) メリットとデメリットのバランス(不安とよろこびのバランス)
5) 具体的な計画(達成方法のマスター)

以上の5つの内容は以下のようになっています。

▼1)目標達成のステップ

STEP 1. 目標達成を考える以前の段階(何も考えない、現状のまま。)
STEP 2. 考えている段階(達成しないといけないかな、あるいは達成できなくても仕方がない)
◎ 達成の難易度と満足度のバランス
◎ メリットとデメリット(気がかり)のバランス
◎ 適切な目標と具体的で適切な計画
STEP 3. 準備の段階 (達成したい)
STEP 4. 実行の段階 (達成するぞ)
STEP 5. モチベーション維持の段階 (「達成できそうだ」あるいは「今日は達成できた」)
STEP 6. 満足の段階(達成できた!)

▼2)3)達成の難易度と満足度のバランス
達成の難易度の適正(適正の程度は計画の充実によって調整できます)
達成の満足度の適正(適正の程度は計画の充実によって調整できます)

▼4)メリットとデメリット(気がかり)のバランス
1) 現在の仕事の仕方のメリット(しない場合のメリット)
2) 目標を達成しない場合のデメリット(しない場合のデメリット)
3) 目標達成した場合のメリット(した場合のメリット)
4) 目標達成する場合のデメリット(した場合のデメリット)
5)適切な目標と具体的で適切な計画
6) 具体的な計画(達成方法のマスター)

たとえば
・原理原則を遵守している(お客さまを尊重している)
・良いサービスの条件を実現している
1)必要な商品・サービス
2)商品・サービスが完全
3)感じがいい(気持ちがいい)
4)コストパフォーマンスが高い(費用対効果が優れている)
5)買いやすい

さて、冒頭に戻って説明します。
以下の5つの課題(条件)は、どれかひとつをすると効果が出るというわけではなく、ほぼ同時進行することから、モチベーションは引き出されます。

1) 目標達成ステップの踏襲
2) 達成の難易度(可能性)の判断
3) 達成時のよろこびの大きさ(満足度)
4) メリットとデメリットのバランス(不安とよろこびのバランス)
5)具体的な計画(達成方法のマスター)

5つが同時進行しないと、全体像がぼやけてしまい、何度も気持ちが揺らぎ目標達成ステップを行ったり来たりします。そのうち考えているだけで止まってしまいます。

鉄は熱いうちに打てといいますが、打つ時期を間違って、揺らいでいる時期にスタートすると、覚悟が出来ていないため失敗します。

取り組む魅力は、達成時の満足度、実行したときの不安とメリットへの気づきの集合で創造されます。

いくら難易度が適切で、満足度も大きくても、実行段階での不安、いやな思いが強いと気持ちは引いてしまいます。
それでも取り組む決意をするには、不安を乗り越えられると思える具体的な計画がないと不安はなくならないので、行動にまで進みません。

しかし現実には、具体的な計画も含めて、5つがバラバラに進行したり、何かが実行されなかったりして、いつまでも気持ちの整理ができないまま、モチベーションを引き出せずに準備不足でスタートしてしまうことが多いのです。
当然、結果は意にそぐわないものになります。
その理由をやる気がないと結論づける場合が多いのですが、決して望ましいものではないので気をつけたいものです。

2010年3月19日金曜日

なぜ、美人のトレーナーにつくとダイエットができるのか?

マートワンホームページ

ジムで起こるひとつ。
女性がヨガレッスンなどで、美人のトレーナーにつくとダイエットができることがあります。

その理由は実に単純。
美人の先生を目にしながらトレーニングするので、美のイメージが強くインプットされ、美への執着心が強まり、「動因」が高まります。

動因とは、動機づけの原因で、モチベーションが高くなる原因です。
モチベーションが高くなる要素には、「動因」と「誘因」があります。
「誘因」は、動因を支えて達成に引っ張る要因です。

美しくなりたい気持ちは自分の内側にある願望です。これが動因。
それに火をつけるのが美人トレーナーというわけです。これが誘因。
ごほうびなどインセンティブは誘因の代表です。

馬にニンジンではないですが、 トレーニングしたら、「こんなにきれいになれますよ」というサンプルが目の前にある状態といえます。
それにしても、馬の目の前にニンジンをぶらさげても、ニンジンを食べることはできないと思うようでは執着心は生まれません。

なりたいという欲求よりも、私はあのようになれないと考えるようだと美人のトレーナーが熱心に教えても効果は出ません。
モチベーションが継続できない人には、執着心の不足があります。
ネガティブなイメージを浮かべてしまい、ネガティブな結果を考えて、自分が作り上げたイメージに支配されてしまうのです。

対策は、ポジティブなイメージを描いて執着心を高めたらいいのです。
美人のトレーナーに接して、あんな風になりたいと本気で思えば努力できるのと同じ要領です。テーマがダイエットなくても、お金儲け、語学、何でも同じです。

ポジティブなイメージとネガティブなイメージ。
自分がどちらを選択しているのか、感情的にならずに、しっかり事実を認識します。
どちらが多いのか、自分の傾向を知る。さらに自分がどちらのイメージを求めているのか、知る。
イメージを実現するために、自分にふさわしい行動はどれかを考え選択しましょう。

自分が選択した行動を実行したか、しなかったのか、毎日反省しましょう。
自分の作り方が正しいか、間違っているか、100%アホでないなら自分で理解できるようになります。

たとえば「最後まであきらめない」が守れない。
あきらめてしまうのは、望む結果にこだわりすぎて失望するからです。
結果は大事だけど、結果に到達できるのは正しいプロセスがあってこそ。
だからプロセスを大事にしたい。結果が出ていても、出ていなくても、結果を出すために、最低限これだけのことをしたという自分への信頼が大事なのです。

もともと運動しない人に運動しろと言ってもその習慣がないので、運動が継続できない。
机に座って本を読む習慣がない人に本を読むことが継続できない。
イメージがないので、目的も、目標もなく、執着心は生まれないし、継続できずに、簡単に投げ出してしまう。
感情的に取り組まないようにして、執着心ができる問題を乗り越える仕組みを作るようにします。

・ポジティブなイメージ(それが目標です)
・習慣化
・仕組み化
・最適化

目標とは、「やらなければならない」「そうでなければならない」というものではなく、「そうなりたい」と心からの希求そのものなのです。
ですから目標がポジティブなイメージであるのは当たり前なのです。
それを、ネガティブなイメージにして、どうするんや!という感じ。

運動する習慣がない人が運動を継続するのは大変です。
その大変を乗り越えるのが「目標」、つまりポジティブなイメージなのです。

イメージと違うから努力する、プロセスを大事にするわけです。
イメージと違うから努力しないとは真に奇妙なことなのですが、それに気がつかないのは、ダブルスタンダードにしているからです。

口では目標数値を言ったりしても、ネガティブなイメージを浮かべて取り組んでい
ると、それが目標になっているのです。
ようするに、結果がネガティブなイメージ通りになるのは、見事に目標達成なのです。「どうぜ、私にはできない」という目標はこうして達成されるのです。

数値目標はポジティブなイメージそのものであるはずなのですが、それがそうでな
い状態、それがリアリティでない状態なのです。
嘘だからリアリティがないのは当たり前です。

プロセスを大事にできないのは、ネガティブなイメージ、つまり失敗の予感に振り回されるからです。
自分に誠実になりましょう。目的も目標は誠実さからしか生まれず、その達成も誠実さによって現実になります。
それは難しいことではなく、シンプルに、ただただ率直、素直に、自分の願望に取り組むだけのことです。

まず、手抜きせずに取り組むことです。習慣化です。
習慣化しても成果がでないと、馬鹿でない自分は、「どうしたらできるのか、考えます」・・・仕組み化が始まります。それでも成果が出ないと、最適な方法の追求を始めます。・・・最適化が起こります。
やらなければならないと考える人なら、この一連ができる力を持っています。

習慣化できない内に、ネガティブな目標を密かに企んで、結果ウンヌンはやめましょう。

部下にポジティブなイメージを与えるには、部下がイメージしやすい話題を選んで語り合うといいでしょう。
その上で意識を変えようとするより、行動を変えること、行動の習慣化を優先します。

メルマガ「いまより3倍!とんがるモチベーション」
   >>>> http://archive.mag2.com/0000232081/index.html

基礎的な力

モチベーションを云々する以前のスキルがあります。
年齢。キャリアに関係なく社会人として身につけておきたい基礎的な力には、次の12のスキルがあります。

・ 健康力
・ 挨拶力
・ マナー力
・ 外見力
・ 笑顔力
・ 自己啓発力
・ 習慣化力
・ 素直力
・ 連絡力
・ あきらめない力
・ 我慢力
・ 失敗力

以上、1ダーズのスキルは、社会人の常識、社会人のマナーとして必要なスキルです。


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