マネジメントのはじまりは「目的」から落とし込んだ数値目標です。時間の流れの
早い現在、マネジメントを機能させるには、繰り返し話し合う時間、決める時間の
軽減は欠かせない条件です。
そこでまかせても安心な信頼性の高い「自律性」が重要になります。
まかせることは責任を引き受ける意欲に発展しますが、状況次第で不安にも、意欲
にもなります。モチベーションを引き出すには環境整備が欠かせません。
難易度と満足度のバランスを適正にして、「やれん気」から「これならやれる気が
する」さらに「やりたい気」にステップアップしていきます。「責任を引き受けら
れる」を「引き受けたい」に変えるのです。
図:やらん気~やりたい気マトリックス
それには、自分で参加し意見を出すこと、成功へのアイデアを出すことが欠かせま
せん。「これならやれそう」の気持ちは意見を出す者なら持つものですが、ひとり
よがりも少なくありません。いい提案は原理原則から逸脱せずに自由闊達のなかか
ら生まれます。マネジャーにとって、意見が活発に出るのは、ありがたい反面、複
雑になります。
マネジャーにはトップダウンの方が明らかに楽です。ピラミッド型のコミュニケー
ションはシンプルです。その分、モチベーションアップはマネジャーの力量に左右
され、育成もマネジャーの影響大です。
自律型マネジメントはピラミッド型のコミュニケーションにならず複雑です。蜘蛛
の糸のようにはりめぐらしたコミュニケーションになります。放置しておくと責任
の所在がはっきりしなくなり、誰も責任を引き受けない状況になることも多く、烏
合の衆になりかねません。
図:ピラミッド型と自律型
しかし、機能する自律型マネジメントでは、意欲、責任感の点で、トップダウンで
は得られない成果が得られます。自主性が発揮されやすいので参加者ひとりひとり
の「やりたい」と「忘れない」が効果を発揮するのです。理想はピラミッド型の蜘
蛛の糸(図:自律型)です。当たり前ですがマネジャーは忙しくなります。その場
合、不要なことを切り捨てないと、蜘蛛の糸は、ピラミッドから外れてしまいます。
外さないようにするには、必要なことだけに集中すること、つまり時間の使い方次
第です。
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