前回から続く
人はうわべでは組織の価値観に共鳴しているように見えても、実際には自分の習慣が優先するものです。あるいは職場では会社の価値観に合わせ、個人生活では個人の価値観に合わせるという暮らし方をする人もいますが、この場合も不安感が募る大事な場面では個人の価値観が優先してしまいます。
ワークライフバランスが云々されますが、時間の配分が中心になっています。それは大事なことですが、本当に重要なワークライフバランスは、仕事も個人生活も含めた「人生を豊かに過ごせる在り方」に基準を合わせることです。
それには「人生を豊かに過ごすためにはどのような価値観を持てばいいのか」を明確にして、まず組織で共有し、その上で個人の歪んだ価値観を最終的に個人が修正できるようにしていくことが望ましいと考えます。
わかりやすい事例が「反社会勢力」です。反社会勢力は健全な価値観を持たない人の受け皿として一定の役割を果たしています。ブラック企業と言われる企業も組織の特定の人々の受け皿になっています。
社会に多く支持され、応援される「成長する会社」は、社会に貢献して、人を育て、働きがいを与えています。言い換えればステークホルダー(利害関係者)をどんどん増やして幸福を提供している会社です。
「成長する会社」の実態は、最初からそうであったわけではなく、ひとりの価値観から始まり、ひとり、またひとりと共感し、共有する人が増えていき、ある段階から急速に共感し、共有する人を増やしていった<在り方>を原動力にして成長した会社です。それを可能にしている「合理的な仕組み」であり、それとて初期の段階では数人が目的と目標(マイルストーン)を共有した賜物です。
これができない原因は、目的と目標(マイルストーン)を持たないことにあります。良いと言えない習慣を変えられない個人の悩みと同じで、ほとんど人は大きな目標を掲げて、どう手をつけていいかわからないままに、慣れたことにだけを繰り返し続けて目先に終始してしまうことです。
つまり組織が標榜する価値観を共有したふりで、個人の価値観に委ねて日々をやり過ごしている状態です。言えばこれだけのことですが、木に例えれば幹があり、無数と言える枝葉があります。会社規模で枝葉の数は変わりますが、たくさんの枝葉をつけるには、相応の幹が必要です。この幹の役割をしているのが、在り方(価値観)です。
この幹に共感している人が多いほど、会社は成長します。枝葉が多いほど綿密で健全なマネジメントが必要になるのは自然の摂理です。言い訳はどのようにもできますが、何の役にも立ちません。
結局、個人の場合も組織の場合も同じ仕組みなのです。
良くない習慣の原因は在り方にもありますが、在り方(価値観)を実現するマネジメント、特に行動規範となによりマイルストーンの設定を間違えているため、マイルストーンを達成できないからです。
どのようにマネジメントするか、それを実現する行動規範、たとえば「できるまでやる」というスタイル、習慣、躾のようなものは、マネジメント技法もありますが、なにより在り方(価値観)の産物であって、在り方(価値観)が自分のものになっていないと自律できません。信頼という点で自律は自立より上位の概念です。自分で立つことができるを超えて自分をコントロールできるのが自律です。
行動規範は在り方(価値観)が反映されたものなので、在り方以上の行動規範(スタイル)はないと思っていいでしょう。
この行動規範を身につける、個人の場合、自分で自分を躾ることは難しくても、組織なら風土と仕組みがしっかりしていれば簡単なのです。それが組織力ということもできます。
風土と仕組みがなっていないと、触発することがうわべだけになり難しくなるのです。
風土と仕組みは勝手にできたのではなく、意図してできたものです。目的地に到達するマネジメントの結果なのです。健全な在り方を共有し、行動規範を共有する。そのプロセスでは「育成」が必ず必要です。行動規範は育て方の結果なのです。
育成のプロセスから健全な在り方を共有し、行動規範を共有することを手放してしまえば、競争に打ち勝つ健全な風土と仕組みはできないので、いつまでも同じ悩みに終始しますが、世の中は変化していくので、時の経過とともに組織も個人も必ず陳腐化していきます。
もう一度、いいますが、
- 在り方
- 行動規範(スタイル)
- マネジメント
は統合されひとつになります。
ですからマネジメント手法が外から見ると同じに見えても、決して同じではないのです。この違いがマイルストーンの設定の違いになります。
ですからマネジメント手法が外から見ると同じに見えても、決して同じではないのです。この違いがマイルストーンの設定の違いになります。
同じ数値目標を設定して、同じマイルストーンを設定しても、同じ結果にできないのは、
- 在り方
- 行動規範(スタイル)
- マネジメント
が違うからです。
では、あなたは、
なにから是正しますか?
- 無意識のネガティブな人生脚本を書き換えるために
- 良い習慣を身につけるために
なにから是正しますか?
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