2010年7月27日火曜日

集中力を引き出す目標作りにオプション効果を使う

 モチベーションを高めるには、目標の難易度と達成感の強さのバランスが良くな
いと、魅力的な目標も意欲も作れません。

 やる気が起こる目標を作る上で欠かすことのできない

  ・ラダー効果、
  ・オプション効果、
  ・スポットライト効果、
  ・サンクス効果

 前回の「ラダー効果」に続いて今回は「オプション効果」についてお話します。

 魅力のない目標にはモチベーションも下がってしまいます。まず人心をひきつける目標設定が重要。魅力ある目標を作るうえで活用したいオプション効果があります。

 オプション効果とは、自分で「選ぶ」ことで、モチベーションを高める要因として働きます。うまく機能させると思わぬ力を発揮することにもなります。

 クルマを購入するときに、「この色しかありません」と言われるのと、「この中から選んでください」と言われるのでは愛着も随分違います。

 押し付けられて従属的にやるのと、主体的にやるのではモチベーションが違うのは当然です。事前に自分の考えが反映されると主体性が変わります。責任感も変わります。そこで問題になるのが「本人の能力」・・・・ふさわしい能力があれば、マネジャーも主張を聞こうとしますが、能力不足の場合には意見を出せる場も与えないことが多い。しかし、これでは主体的に取り組む機会が先送りになり気味で成長を遅らせます。

 頼りないと思っても、選択する場を与えて、本人に主体性を発揮させるようにして成長速度を速めるようにしてはいかがでしょうか?まだまだ未熟なメンバーであっても自分で考え、行動を重ねると仕事への意識も変わり問題意識も持つようになります。そうは言っても、現実はそれほど甘くない。

 「本人任せにしたらよくなる」というのならマネジャーは不要です。「自分で選択したから、やる気になっていい結果を出すだろう」といった安易な判断は禁物。

 気をつけたいのは成功させるように仕向けることです。やる気になったからできるものではなく、正しい行動をもれなく実行するからできるもの。つまり正しいプロセスを辿っているか、マネジャーが注目して早め早めの軌道修正をサポートしてあげるようにします。もちろん余計な口出しはしないこと。後述するマイルストーン効果を上手に使ってオプション効果を高めるのが、他ならぬマネジャーの腕なのです。

 普段からあらゆる機会を通して「道理」「原理原則」を徹底して教えておくことが正しい選択ができる基礎になります。

2010年7月21日水曜日

ラダー効果で目標力をアップする

「仕事だからがんばるのは当り前」はそうかも知れないが、やる気になれない状態でいくら筋論を押し通しても成果があがるわけではない。仕事をしていれば良いってものではなく、結果を出すのが目的だから、効率良く求める結果を出すことが大切だ。

 つまり私たちは「生産性」という課題と向き合っていて、生産性がなぜ重要かというと、数値だけの問題ではなく、仕事を進める上での因果関係が生産性に凝縮されているからだ。

 そこでどうすればモチベーションがあがるかという問題が浮上するわけで、真剣に取り組んでいると、必然からマネジャー(管理者)として進化していくことになる。

 モチベーションを高めるには、目標の難易度と達成感の強さのバランスが良くないと、魅力的な目標も意欲も作れない。そこで、やる気が起こる目標を作る上で欠かすことのできない ラダー効果、 オプション効果、スポットライト効果、サンクス効果について説明していきたい。

 ラダー効果は、とても重要なひとつで、私は日頃から、これなしに人は育たないと思っている。実際、過去に私は1000人以上の人と直接関わり、数え切れないマネジャーを育ててきたが、いつ会っても、彼ら自身がそれを懐かしみ口を揃えて話題にする。それだけ心に入ったということだろう。「それ」とは日頃追いかけている目標より「上位に位置する目標」のことだ。

 それはもっともなことで、販売に携わる者には、プロスポーツ選手なみに考えながら行動すること、そして緊張が要求される。しかしプロスポーツ選手のように、「ストーブリーグ」というものがない。ずっと緊張が連続する。やってもやっても、これで良いということがない。終わりのないレースをやっているようなものだ。そで疲弊しないというのは日頃から真摯に取り組んでいない証しでしかない。

 真剣に取り組んでいれば、成績があがると、次の月には落ちてしまうちうようなことが起こる。緊張が続かず自分で休憩してしまうのだ。目標に届いていなくても、前年比をカバーしていると、「まあいいか」というように妥協をすることになる。そこで上位管理者が同じように休憩を認めているようだと、屋台骨が崩れてしまうことになる。

 プロ野球の名監督と言われる人にもそういう人物がいて、前年よりいいポジションで終わったかと思うと翌年には、前年より落とす。その翌年には、戻して返り咲く。これを繰り返していると、うまくしのげるのだそうだ。それもひとつの処世術だが、伸び盛りのマネジャーがこんなことをしていると、覇気がなくなってしまい40代にもなると使いモノにならなくなる。

 こうしたことを防ぐには、数値目標だけでなく、より上位の目標、つまり抽象的な目標が効果を発揮する。抽象的な目標はその名の通りとらえどころなく、その効果を頭から考えない人が少なくないが、それは間違いである。先に述べたように、それなしに人は育たないと断言できる。

 考えないと説明する力もつかないので、いつまで経っても、抽象的な目標はないままになるので、やがてモチベーションは息切れして、最後にはやる気がありそうなことを言ってその場をしのぐごまかす技術だけが身につく。しかし数字は状態を示す。

 たとえば販売とは、売ることだ。ずっと同じことを繰り返していると、「自分はなんのためにこんなつらいことをしているのか」と疑問が湧いてくる。真面目に目標に取り組んでいる者ほどそう思うようになる。つらいことは誰にもつらい。なにも感じない者は普段から緊張感のない者だ。頑張っている者ほど、耐えているのだ。その忍耐に一刻も早くサポートの手を差しのべることが必要だ。

 しかし、抽象化をすると、売る仕事は、お客さまに喜んでもらう仕事で、人を助ける仕事だというように誇りが持てるようになってくる。さらには仕事を通して幸福な社会を作るというような使命感が体験を通して育ってくるようになる。使命感が苦しい局面を乗り越え自分と部下を育てる原動力になる。この循環が正常に行われるようになると会社の風土もそのようになり、風土が個人を励ますようになる。

 マネジャーが部下が感じる範囲の仕事の捉え方を変えるアプローチを繰り返すことで、仕事への取り組み方も変わり、その結果、成果も格段に変わって来る。

 いまの世は離陸率が高いと言われるが、目先の目標をただ追わせるようなことをしていると、いくら採用してもすぐに辞めてしまう。うるさいからがんばっているという自分にも周囲にも嘘をついた状態では、それだけで疲れてしまい、モチベーションが高くなることもなく、「うつ」の原因にもなり、いい仕事はできない。

2010年7月13日火曜日

原因か、手段か、それが問題だ

 たとえば私たちは、勉強するのがイヤだと言った場合、それを現象だと考えることで、その原因を探り出し、改善すれば、モチベーションもあがり、熱心に取り組むかも知れないと期待します。そして原因を探そうと躍起になります。

 しかし、勉強したくないのが目的だとしたら、原因を見つけることはできません。
 
 疲れている、やる気が起こらない、苦手だと理由(原因)を言っても、実は勉強しない原因ではなく、原因と思われるものは、実は勉強しないための手段でしかない場合があることに注意が必要です。
 手段であった場合には、目的を達成するための手段が、はてしなく繰り広げらることを発見します。つまりやらないためにやる気いっぱいの状態なのです。

 いつまでたっても、できない課題を抱えている場合、本当の目的は実現にあるのか、しないことにあるのか、じっくり自己分析してみる必要がありそうです。

 もし、目的がしないことにあるとしたら、その背景になにがあるのか、ライフスキル講座で投げかけている「人生脚本」との関係について考えてみたいものです。単純にしたくないのか、それとも
不幸なドラマの結末」に向かっているのか、それによって重要度が違ってきます。

 もし、「人生脚本」の結末を成功させるための、小さな失敗だとしたら、危険な失敗だからです。誰もが幸福になりたいと口にしますが、不幸の実現に躍起になっている人がいるものなのです。幸福のイメージが描けず、不幸のイメージがしっくりする人たちです。
 この種の人には、幸福を考える機会よりも、不幸を考える機会のほうが圧倒的に多いのです。

 考えてみてください。実に簡単な理屈です。お金持ちは、お金のことを考える機会が多いからお金と関係ができるのです。健康な人は健康について考える機会が多いから健康に暮らせるのです。

 本当の意味でやる気になればできる簡単なことができない場合には、自分が見捨てられることを求めているかもし知れません。親身に思ってくれる人の誠意に応えずに、挫折感を与えるようなことをしていると、最終的に心も身も離れていくことになるからです。

 私たち人間は社会的な生き物です。他の誰かと無関係に思えるようなことでも、ひとりの行動は誰かに影響しているものです。「自分のうまくいかない」は「他者への迷惑」になっている場合が少なくないのです。
 ですから、うまくいかないと「悩む人」は、その解決策として、他者への思いやり、関心を強くしてみてはいかがでしょうか? 自分のことはどうでもいいというわけではありません。自己中心的な考えにふりまわされた行動をやめて、相手、周囲の人の身になって考えた行動をするのです。

 たとえば、どのようなビジネスでも、利益を求めて経営していますから、その企業が行うサービスには、利益を得る目的があります。いま話題の「FREE」もその典型的な事例です。

 だからといって顧客に提供するサービスが、すべて利益を得る手段だとしたら、顧客はどんな感じを受けるでしょうか。
 顧客と企業との間で取引される商取引は、選択権は顧客側にあります。ですからサービスの結果、利益が自然についてくると考える会社がある一方で、逆に利益を得る手段だと考える企業もあります。この場合も、選択権が顧客にあると感じていないのかも知れません。これと同じことが個人の人間関係にもあてはまります。

 親しい関係をつくりたい、そのために軽快で楽しい会話がしたい、親密な関係をつくりたいと思いを巡らします。しかし、そう思うほどコミュニケーションが苦手になっていきます。なぜだと思いますか。すごく簡単です。相手のことを思う力を失った状態で、親密な関係を作るのは、考えていることと、していることがベクトルが逆だからです。
 
 こんな場合、考えるエネルギーと行動のエネルギーを一致させることが、いちばん簡単な方法なのです。下心なしに親身に相手のことを思うことです。

 ビジネスでも売ろう、売ろうと、考えていると胡散くさく思われて売れなくなります。しかし顧客を親身になってしっかりサポートしてあげると、顧客は自身の欲求に応じて、購買を決めます。

 自分をないがしろにするのと、相手を大事にするのは、どちらが上とか先とかという問題ではありません。自分と同じように相手を思い行動するということです。自他肯定の行動です。
 このときに注意したいのは、思ってはいるけれど行動にできていないときです。思っているけれど、行動していないというのは、思っていないのと同じです。

 日頃、飲酒違反はいけないと思っているが、飲酒運転したというのは、飲酒違反した事実があるだけです。私たちは行動の背景を考える習慣がありますが、行きすぎると事実(行動)を軽視することになりかねず、真実を見落とすことになりかねません。

 人間の行動のすべてには目的がありますが、冒頭にあげたように、目的を現象と考えてしまうと、本当に大事なことを見落としかねません。そんなことにならないように、したか、しなかった、あるいはしている、していないで事実を判断するようにしましよう。

 したいのにできない、やろうと思っているのにできないというのは、目的がしたいこと、やりたいことにない、むしろ危険な人生脚本の完結に突き進んでいないかを注意深く考えて、路線変更の警告だとと判断することが自分を大事にする意味で適切だと思いたいものです。

2010年7月1日木曜日

私だけの99日間プロジェクト 「仕事に打ち込める自分」と「恋愛依存からの克服」

 イライラする日がある。片づけなければいけないことがいくつもあって、時間も多くない。こんな時に、イライラする理由ははっきりしている。

 何をしたらどうなるのか、どのくらい時間がかかるのか。どうするために、どのようにしたらいいのか分からないのだ。気持だけが先走り、ナニをしたらいいのか分からないのだ。

 つまり片づけることがたくさんあるとか、少ないとかの問題ではない。時間が少ないわけでもないのだ。

 このようにするべきことがあるというのと、目標があるというのは、同じことだと考えるかもしれないが全然違うのだ。
 同じように、ナニもしない日がある。その一方に、なにをしていいのか分からない日がある。
 やはり似ていると考える人がいる。しかし全然違うのだ。両方に共通しているのは「どうしたいのか」の有無の点であって、それこそが決定的に違うのだ。

 目標とは、「どうしたいのか」ということなのだ。「どうしたいのか」のない一日とは、どのような一日か、少し想像力の働く人なら想像できるはずだ。浪費である。目的も目標もない人生は、浪費でしかない。

 しかしほとんどの人が浪費に気付かない。それどころか、娯楽や遊興に時間を消費して、積極的に気づかないようにしている。そしていまいるポジションに安住して、ただ維持するだけに終始している。

 人はささやかな目標、たとえば、今晩7時に鍋料理をするから、仕事を片づけて⒍時までに食材を用意すると目標を持てば、それだけで集中力を発揮する。鍋料理も食材の準備がなく、仕事をするのと、その集中力は同じだろうか。その答はあなたが知っているはずだ。

 たったこれだけのことで集中力に変化が起こるのだ。

 モチベーションについて、あらゆジャンルで研究され、それぞれのジャンルでキーワードも語られてきた。しかし、どんなジャンルにおいても、「目標」ほどモチベーションに密接に絡んだキーワードはない。

 このように、目標の有無、つまり「なにをどうしたいのか」がある生き方と、「なにをどうしたいのか」がない生き方では、まるで違う結果になることは明白だ。結果は行動の結果でしかないからだ。

 なにをどうしたいのかがない理油ははっきりしている。自分が自分に問いかけないからだ。問いかけると、いまのポジションに安住できないからだ。いまのポジションへの安住を望む一方で、目標もないまま、いま以上のポジションを漠然と望む。あなたが正常なら奇妙な矛盾に気がつくだろう。

 不安は自らの漠然さの中から生じる。漠然としている、つまり何をしていいのか分からないという状態が不安の原因である。しかし、それは自らが積極的に、何をしていいのか、分からない状態にしていることを忘れてはいけない。

 こういう人たちが、万能感を克服できないまま完璧主義から、見てくれのカッコよさを仕事に求める。
 カッコだけで設定した目標が本物の目標になることはない。「他者の目」が気にした目標、言い換えると主体性を放棄した状態で、自分が達成したい目標が生まれるはずもない。目標を達成するのは自分以外にないのだから。

 何をしていいのか分からない不安を打ち消すために、社内恋愛、その延長にあるような合コンにエネルギーを使って、自分と時間を消費するのがオチである。

 あるいは趣味と実益を兼ねて、ダイエット、語学、資格に取組みのが関の山である。それにしても「ジムでも行くか」程度で運動しても成果はないので、1ヶ月も続くこともない。



 さて、若くて美しい25才の独身OL、真希さん(仮名)の悩みは、恋愛すると他のことが手につかないという悩みだった。
 しかし真希さんは同時に厳しい労働環境も認識していた。同級生がフリーターにしかなれなかったために、その後もいい職場に恵まれないことを知っている。一流ではないが、成長も見込める中堅企業に勤務して不足のない暮らしをしている自分のポジションを失いたくなかった。しかし恋愛すると他のことが手につかず時には気が変になりそうで、有給を使ってフリーターをしている後輩に長々と相談する始末だ。相談していると、そこに恋愛が存在しているように感じて幸福感さえあった。

 こんなことではダメだと思いながらも、「彼のこと」が頭から離れない。彼女がライフスキル講座に参加して来た理由は、2つ。
 「仕事に打ち込める自分」と「恋愛依存からの克服」をするためにライフスキルを身につけたいといことだった。講座を通して、自分と他者の境界が曖昧であることを知った。自分の恋愛や人間関係のトラブルの原因を理解した。学んだことを実践していく内に、コミュニケーション力は変化した。

 そして真希さんは、新しい彼との関係を良くするために、「99日間プロジェクト」に望んだ。彼女のチャレンジは仕事中に彼のことや、恋愛について考えないというものだった。

 真希さんの99日間プロジェクトは成功したのだろうか、そしてどのような変身を実現できたのだろうか?暮らしの現場から熱いレポートをお届けします。

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